- メンズクリニックの人間関係はいいって本当?
- 普通の美容クリニックと比べて給料・年収はどうなの?
- メリット・デメリットを知りたい!
メンズクリニックへの転職を検討している看護師さんにとっては、とても気になりますよね。
メンズクリニック(男性専門美容外科クリニック)で9年勤務している私が、メンズクリニックのリアルな内情を全て赤裸々に解説していきます!
- メンズクリニックで9年美容看護師として働いている私の経験談
- 10人の現役美容看護師・元美容看護師を対象にメンズクリニックでの経験やメリット・デメリットについてアンケート調査→回答内容や口コミも本記事に掲載
上記の内部情報を元に徹底解説していきます。
メンズクリニック(男性美容クリニック)とは
メンズクリニック(男性美容クリニック)とは、男性のための美容クリニックです。
一般的な美容クリニックでは男性患者も利用できますが、女性患者がメインであることがほとんどです。
そのため、男性患者が一般的な美容クリニックを利用しにくいと感じているのが現実。
そこで誕生したのが、男性を専門とするメンズクリニック(男性美容クリニック)なのです。
美容皮膚科のメンズクリニックで有名なところとしてゴリラクリニック
メンズクリニック(男性美容クリニック)ではクリニックによって診療科が異なり、メンズクリニックの中でもさらに「美容外科」「美容皮膚科」「医療脱毛専門クリニック」に分けられます(※美容外科は美容皮膚科の診療科も取り扱っているところがほとんどです)。
男性美容といっても女性と同様に、脱毛、シミ・ニキビなどの肌治療、痩身、ヒアルロン酸等の注入治療、美容整形手術などの美容医療を提供しています。
これらの治療に加えて、男性特有の悩みであるAGA(男性型脱毛症)や薄毛の治療、ED治療、男性器形成、女性化乳房修正術などの治療も行います。
男性の美容意識は年々高まっており、メンズ美容の需要も増加傾向にあります。それに伴いメンズクリニック(男性美容クリニック)の市場も拡大していくことが予想されます。
メンズクリニック看護師の年収・給料(私の給与明細も公開)
下記の表は、メンズクリニックの給料・年収を他科美容クリニックと比較したものです。
美容クリニックの種類 | 給与水準 |
---|---|
メンズクリニック | 月収28〜36万円 年収370~550万円 AGA治療で内服薬の処方だけではなく注射治療なども行っているところでは収益性が高い。 |
美容外科 | 月収35〜41万円 年収500~600万円 収益性が高く、美容皮膚科よりも給料が高い傾向にある。 |
美容皮膚科 | 月収28〜36万円 年収370~450万円 |
脱毛専門クリニック | 月収30〜38万円 年収440~550万円 |
※年収はボーナス有の場合の推定年収
メンズクリニック(男性美容クリニック)では、外科、皮膚科、脱毛専門などの診療科によって習得が必要な知識・技術の多さは異なりますが、基本的には一般的な女性向けの美容クリニックよりも取り扱っている治療メニューや美容医療機器の種類が少ないことがほとんどです。
そのため、「覚えることは比較的少ないのに、給与水準が高い」という特徴にメリットを感じている人も多いです。
特にワークライフバランスを重視したい人にとっては、魅力的といえます。
ここで、メンズクリニック(男性専門美容外科)で働いている私のリアルな給料明細も公開します。現在育休中なので、2019年の給料明細となっています。
※職場や氏名等は公表していないので、詳細が分かる部分は伏せております。
※画像の転載禁止です。当サイトのウォーターマークを入れてありますので無断使用はすぐに分かります。
この月の総支給額は400,660円で、保険料等の差引後の手取り金額は339,056円でした。ちなみに私の職場は都内ではありません。
私自身は職場での「ゆとりのある業務量」や「良好な人間関係」、「社割や無料で美容医療が受けられる」などの働きやすさや恩恵がある上で、このお給料をいただけていることにとても満足しています。
参考になれば幸いです。
メンズクリニック看護師のメリット5つ
メンズクリニックの美容看護師10人のアンケート調査結果とメンズクリニック勤務歴9年の私の見解をまとめると、メンズクリニック看護師のメリットは下記の5つです。
- 男性看護師がいることで人間関係がいい
- 覚えることが多くないため自分のペースで学べる
- 健康な男性が多いので採血・点滴がしやすい
- 身体の負担が少ない
- メンズ美容を専門的に学ぶことができる
10人の美容看護師の口コミ内容と私の体験談も紹介しながら解説していきます。
男性看護師がいることで人間関係が良い
男性スタッフが多いので、人間関係があっさりしている。
(27歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに2年勤務)
人間関係が良い。男性看護師がいるので陰口や派閥などもなく、サバサバとした関係性で雰囲気が良かった。
(26歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに3年勤務)
これがメンズクリニック(男性美容クリニック)で働くことの最も大きいメリットと言えます。
実際に22〜34歳の働く女性214人にアンケート調査をした結果によると、「女性が多い職場」よりも「男性が多い職場」の方が働きやすいと答えた人は77.1%となっています(下記参照)。
女性社会では人間関係が複雑で、派閥ができやすかったり陰口・悪口が多いなど、風通しの悪い職場環境になりやすい側面があります。
一方、男性は悪口・陰口に加担することがないですし、感情的にならず中立的な対場で物事を捉えられる性質があります。
そのため、男性のいる職場ではさっぱりとした人間関係を築きやすく、風通しの良い職場環境になりやすいのです。
実際に私はメンタルが強い方ではなく、新卒で就職した病院では病棟の雰囲気やお局のパワハラじみた圧力を感じるような対応に耐えかねて、就職して3ヶ月で退職しました。
そのため、転職する際には人間関係を一番重視して男性専門美容外科に転職したのです。
その結果、病院を3ヶ月で退職したような私でも、今の男性専門美容外科では勤続9年を達成できています。
やはり女性だけの職場に比べると、男性がいることで派閥ができにくく、陰湿な人間関係にもなりにくいですし、男性看護師の存在がいつも職場の雰囲気を和やかにしてくれているように感じます。
これは美容クリニックに限らず、病院でも同じことが言えます。
他科の病棟よりも男性看護師の就業率が高い精神科病棟では、人間関係に悩む人は少ないようですね。
わたしの友人が男性看護師が数人いる精神科病棟で勤務していますが、
男性看護師のいない病棟も経験あるけど、男性がいるとお局の態度感が全然違う。他科と比べて人間関係は絶対いい。
と言っていました。
やはり美容クリニックの中では、男性スタッフのいるメンズクリニックが最も人間関係が良い傾向にあります。
しかし、男性のいない一般的な美容クリニックでも病院と比べると、人間関係のトラブルは発生しにくいといえます。
病棟看護師は特に夜勤やサービス残業が多く、通常の看護業務に加え看護研究や委員会活動もこなさなければなりません。また、人員不足の問題もあり過酷な労働環境にあります。
さらに患者さんの命を預かっている責任の重さから、身体的負担や精神的負担は大きいです。
このような背景から、一般的な病院では日頃から看護師の抱えているストレスは大きく、心にゆとりのない状態になりやすいため、人間関係が悪くなりやすい傾向にあります。
そのため、病院の職場環境と比べれば、メンズクリニックではない一般的な美容クリニックでも人間関係の問題は緩和される可能性が大きいのです。
覚えることが多くないため自分のペースで学べる
メニューが多くないので、1つの施術を覚えるのにしっかり時間をかけて練習したり勉強して身につけていくことができる。施術を習得するペースも急かされることがないので、気持ち的にもラク。
(32歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに1年勤務)
メンズクリニックは、基本的に一般的な女性メインの美容クリニックよりも、取り扱うメニューや美容医療機器は少ないです。
これはメンズクリニックが美容外科領域であろうと美容皮膚科領域であろうと、はたまた大手であろうと小規模・個人経営であろうと、女性メインの美容クリニックよりメニューや機器が少ないのは変わりません。
そして、治療メニューや取り扱う美容医療機器が多くないということは、覚えることも多くないので、気持ち的にもペース的にもかなり余裕を持って知識・技術を1つずつ身につけていくことができます。
女性メインの大手総合美容クリニックでは治療メニューや取り扱う機器がとにかく多いので、覚えることが多くて大変というのはよくあります。
もちろん、「とにかく美容医療の知識・技術を幅広く学びたい」という方にとってはメンズクリニックは不向きでしょう。
反対に、勉強量が多いのが苦手な人や美容未経験の人にとっては、メンズクリニックのように覚えることが多すぎず、自分のペースで学んでいける環境であることは働きやすさに繋がり、美容看護師キャリアの第一歩としていいスタートを切れるのではないでしょうか。
健康な男性が多いので採血・点滴がしやすい
私自身、病棟を3ヶ月で退職しているので、ほとんど採血や点滴の経験がなくメンズクリニックに転職しています。
そのため、入職したばかりの新人時代は採血・点滴をするのに緊張していましたが、こんなに経験のない私でも直針での採血、点滴や術前のルート確保まで難なくできるようになりました。
健康的な男性は基本的に血管が太く見えやすいというところで成功しやすかった背景もありますし、成功体験を積み重ねやすいために精神的負担やプレッシャーを感じすぎることがなかったからだと思います。
もちろん、「健康的な成人男性の血管はプリプリしていてむしろ難しい」と感じる看護師もいるようなので一概には言えませんが、臨床経験の浅い人や採血・点滴が苦手な人にとっては、そもそも成功しやすいのでプレッシャーになりすぎず苦手を克服しやすい環境です。
実際に今まで9年間男性専門美容外科クリニックに勤務してきて、男性の血管が難しいと感じたことはなく、女性より男性の方が血管が太いので「血管を見つけやすい」「確実に血管に刺しやすい」という印象ばかりで、明らかに男性の方が採血・点滴は簡単だなと感じます。
私の職場の場合、女性患者も1割いるのですが、男性の血管で採血・点滴の経験や成功体験を積んで、その後女性の採血・点滴も難なくできるようになったので、段階を踏んで成長しやすい環境だと感じましたし、メンズクリニックに転職して本当に良かったと思う瞬間でした。
身体の負担が少ない
長時間立ちっぱなしになることが少ないので、身体的に楽。
(男性・勤務時26歳 男性美容皮膚科クリニックで1年勤務)
メンズクリニックの施術は看護師の身体の負担が少ないことが多いです。
例えば、AGA治療の頭皮注射ですね。頭皮の注射はメソガンという専門の機械に注射器を設置して、頭皮に刺入する針の深さや時間(注入量)を設定して一定にすることができます。
特別なスキルが必要なく看護師が座ったまま施術ができるので、簡単かつ身体の負担も全くないんです。
また、脱毛施術に関してもメンズクリニックの場合、女性メインの美容クリニックと比べて、全身脱毛よりもヒゲ脱毛が多いので、やはり体の負担が少ないんですね。
容易に想像できると思いますが、メンズ脱毛の場合需要があるのはヒゲ脱毛で、全身脱毛の必要性を感じる人は少ないです。一方、女性は全身脱毛したい人の方が多いですよね。
対して、全身脱毛は施術範囲が広いために施術も長時間ですし、脱毛機を移動させたり、患者様の身体を動かしたり、時には支えたりしながら施術をします。
どうしても施術者の身体への負担はかかりやすいので、脱毛機のハンドピースの持ち方であったり、ボディメカニクスを駆使するなどして工夫しなければ、身体が辛いところがあります。
そのため、身体の節々の悩みが出てきやすい30代以上の看護師や、体力に自身がない看護師の場合、メンズクリニックは働きやすい環境だと感じるはずです。
メンズ美容を専門的に学ぶことができる
男性美容に特化している。男性美容における経済効果は年々高くなっていて、実際に働いていてそれを経験することができる。
(27歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに2年勤務)
男性看護師であれば同性ならではの視点からアドバイスができ、やりがいを感じることができる。男性美容において「女性からの視点」もとても重要で、女性看護師もニーズがある。
(31歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに3年勤務)
私がメンズ美容を学べて本当に良かったと感じたのは、自分のお父さんや主人に対して経験に即した役立つアドバイスができたことと、社割でAGA治療関係や男性向けのドクターズコスメなどを購入してプレゼントができたことです。
女性メインの美容クリニックでもメンズクリニックでも、どちらも美容の知識を自分に活かしていくことはできます。
でも、父親や自分のパートナーなどの身近な異性に、役立つアドバイスやプレゼントができるのはメンズクリニックならではだと感じています。
また、AGAについて専門的に学んでいけるのは、女性にとってもかなり役立つ知識だと感じました。
なぜなら、女性でも若い年齢でFAGA(女性の薄毛)に悩んでいる人は少なくないからです。
私のクリニックでは、高齢の女性だけではなく、大学生や20代前半のOLの方も通っていました。
女性にとってもAGAというのは他人事ではないなと感じましたし、もし将来自分がそういう状況になった時にかなり役立つ知識だと感じると共に、早く対処しやすい環境であることもメリットであると感じました。
AGAやFAGAの治療は、シミ治療やニキビ治療などの一般的な美容皮膚科治療よりも高価格帯な治療ですし、治療するにしても自分でしっかり知識を持って自分に必要な治療を適切に判断できることはとても貴重であると考えます。
実際に色々な治療パターンをする方の症例を間近で何例も見れますからね。
また、勤めている間は社割でAGA内服薬を購入したり施術を受けれるのも大きいです。
あとは美容的観点において、個人的にはシミやニキビなどの悩みよりも、薄毛になることの方がダメージが大きいです。
特に女性にとって「髪は命」という程ですし、下手すると男性よりも女性の方が薄毛に対してのダメージを感じやすいのではないでしょうか?
そういった側面も含めて、女性看護師であってもAGA治療やメンズ美容を専門的に学べる環境はメリットが大きいのです。
メンズクリニック看護師の注意点(デメリット)3つ
メンズクリニックの美容看護師10人のアンケート調査結果とメンズクリニック勤務歴9年の私の見解をまとめると、メンズクリニック看護師の注意点(デメリット)は下記の通りです。
- 女性美容について深く学ぶことができない
- 美容の知識・技術を幅広く身につけることができない
- 女性患者と接する時とは違った配慮が必要になる
10人の美容看護師の口コミ内容と私の体験談も紹介しながら解説していきます。
女性美容について深く学ぶことができない
女性美容について深く学ぶことができない。メンズ美容も面白いが、たまに女性美容をしっかり勉強したくなる時がある。
(25歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに2年勤務)
正直美容クリニックによるところが大きいのですが、やはり男性メインなので男性の肌質の傾向や男性に多い症例など、学べることはメンズ美容がメインになります。
ただし、女性美容について深く学ぶことが難しいというだけで、男性でも女性でも基本的に必要な美容知識は同じです。
例えば、皮膚の構造やニキビやたるみの原因、薬剤や美容医療機器に関する知識、作用機序など、美容医療に関する知識・技術を身につけることはできます。
また私自身、男性専門美容外科で働いていますが、私のクリニックでは男性がメインではあるものの、女性患者も来院できるクリニックなのです。
更に、複数店舗展開しており他店舗では一般的な女性メインの美容クリニックもあるので、そこで情報共有をしたり症例検討会などで女性美容について学ぶこともできます。
このように、「メンズクリニックに転職したいけど女性美容も学びたい」という人は、女性も来院できるor女性向けの美容クリニックの店舗があるようなメンズクリニックを探してみるのもいいでしょう。
美容の知識・技術を幅広く身につけることができない
美容施術を網羅することはできない。
(33歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに4年勤務)
メンズクリニックでも美容医療に関する知識・技術を身につけることはできますが、幅広く学ぶことは難しいように感じます。
なぜなら、メンズクリニックでは一般的な美容クリニックよりも取り扱う治療メニューや美容医療機器が限られていることが多いからです。
但し、脱毛専門クリニックでは脱毛機械しか取り扱わないので、メンズクリニックに限られた話ではありませんし、美容外科・美容皮膚科分野のメニューもあるメンズクリニックなら、脱毛クリニックよりも経験できる治療メニューは多いです。
下記の湘南美容クリニックとゴリラクリニックのメニューを比較したものを見ていただけると分かりやすいかと思います。
湘南美容クリニックの診療メニュー
ゴリラクリニックの診療メニュー
ただ、治療メニューの多さは人によってはメリットにもデメリットにもなりますね。
大手の総合美容クリニック(美容外科・美容皮膚科領域どちらもある)のように治療メニューの多いところでは、やはり覚えることがたくさんあるために疲弊してしまう人もいます。
総合美容クリニックで働いていた美容看護師から話を聞くと、とにかく覚えることが多くて大変だったという声をよく聞きます。
一方メンズクリニックでは、治療メニューや美容医療機器の種類は多くないので、「一つずつゆっくり学んでいくことができる」「それぞれの治療について狭く深く学んでいくことができる」という特徴があります。
つまり、美容の知識・技術を幅広く身につけたい人にとっては、メンズクリニックは物足りない可能性が高いですが、「美容医療について1つずつ段階を踏んで学んでいきたい」「それぞれの治療について深く学んでいきたい」という人にとっては、メンズクリニックは非常におすすめと言えます。
女性患者と接する時とは違った配慮が必要になる
女性と男性とでは接客の仕方が変わる。論理的で結果を大事にするのが男性なので、治療の提案の仕方も工夫が必要。
(28歳女性 大手美容皮膚科クリニックに1年勤務→男性専門美容クリニックに転職し2年勤務)
アンケート調査で上記のような声がありました。反対に、次のような声もありました。
女性相手よりも男性相手の接客の方が気が楽だし楽しい。女性の場合、品定めされているように感じてプレッシャーだし気を遣う。
(27歳女性 男性専門美容クリニックに2年勤務)
男性看護師の場合は同性への対応なので、特に気にする必要はないと思います。
女性看護師の場合は、男性と女性の性質の違いを理解することが必要です。
例えば、男性は論理的であったり結果を大事にする傾向が強いので、治療の提案をする際の話し方などにも工夫が必要なんですね。
とはいえ、メンズクリニックには男性看護師がいることがほとんどのため、男性看護師などの男性スタッフに意見をもらったり相談をしてみることで、男性の価値観を理解しやすくなるのでそこまで心配する必要はないです。
私自身もよく男性の上司や同僚の男性看護師に意見を聞いたり、男性の接客経験を重ねていくことで意識できるようになりましたし、男性患者の接客に関して特に深く悩むようなことはありませんでした。
また接客に関して言えば、結局は男性・女性関係なく、個人個人に合った接客をできるようになることがベストなので、「男性だからこうしなくては~」と、特別に考えすぎる必要はないです。
「患者様ひとりひとりをみて、その人に合った接客をしていく」という意識を持つことが最も重要です。
メンズクリニック看護師の仕事内容・1日の流れ
メンズクリニックで働く看護師の仕事内容と、実際にメンズクリニック(男性専門美容外科)で働いている私の1日の流れを解説していきます。
仕事内容
- AGA治療(頭皮の注射・植毛手術の介助など)
- ED治療・肌治療・痩身治療の美容医療機器による施術(レーザーなど)
- 手術の準備・介助・術後の経過観察
- 注射・採血・点滴(プラセンタ注射やビタミン点滴など)
- 医療脱毛
- ピーリング
- ヒアルロン酸などの注入系施術の介助
- ドクターズコスメや内服薬などの物販
※美容外科・美容皮膚科分野の両方を含めた業務内容を記載しています。
仕事内容は各メンズクリニックの診療科によって変わりますが、概ね上記内容の通りです。
メンズクリニック(男性美容クリニック)では、ゴリラクリニックのような美容皮膚科クリニックもあれば、メンズリゼのような脱毛クリニックもあるように、クリニックによって診療科が異なります。
他にも、AGAスキンのようなAGA治療専門のクリニックもありますし、私の職場のように美容外科・美容皮膚科分野全般的に診療する総合美容のメンズクリニックもあります。
要は、メンズクリニックの中でも更に「美容外科」「美容皮膚科」「医療脱毛専門クリニック」に分けられるということです(※美容外科は美容皮膚科の診療科も取り扱っているところがほとんどです)。
男性特有の悩みであるAGA(男性型脱毛症)や薄毛の治療、ED治療、男性器形成、女性化乳房修正術などの治療においても、クリニックによって変わります。
例えば、私の職場ではAGA治療や女性化乳房修正術などは行っていますが、ED治療や男性器形成などの治療は対応していません。
細かい治療メニューは本当にクリニックによって異なりますので、気になる方はHPなどで確認してみるのがいいでしょう。
その他に在庫管理や医療機器のメンテナンスなどもありますが、それはメンズクリニックの仕事というよりは美容看護師全般的にある仕事内容なので、細かく知りたい方は下記記事をご覧ください。美容クリニックの規模によって変わる仕事内容などについても解説しています。
一日の流れ
私が勤めているメンズクリニック(男性専門美容外科)の場合の一日の流れを紹介しますね。
出勤して、着替え・清掃・部屋の準備などを行います。
10:00~診療開始ですが基本的には予約を入れているのは10:30~なので、10:00に朝礼ミーティングを行います。患者様の都合によって10:00~施術が入っている時もあります。
担当を割り振られたところの各施術に入ります。施術のほとんどはヒゲ脱毛、AGA治療、肌治療がメインで、日によって手術が入ったり、ヒアルロン酸などの注入治療が入ります。
施術以外の時間で、カルテ記入をしたり電話対応・受付業務、在庫管理や洗濯や施術後の部屋の清掃・準備などを行います。
この時間に施術が入ってない人は基本的に12:00~お昼休憩をとります。
施術に入っている人は、自分の空いている時間で自分のタイミングで1時間お昼休憩をとります。
たまに、上司が高級弁当を買ってきてくれることもあります。
また割り振られている各施術に入ったり、カルテ記入、事務作業など自分の業務をこなしていきます。備品の買い出しに行ったり、両替に行くこともあります。
終業時間が近づいてくるとその日の締め作業に入ります。各部屋の清掃や美容医療機器の電源を切る、その日の売上金額の計算や現金の金額が合っているかのチェックをします。
診療終了時間に患者様がいなければ、着替えて19:00にタイムカードを押して退勤します。
私の職場では残業はほとんどなく、月に3~5時間程度なので、ほとんどの出勤日が定時退社できます。
本当に残業がないし終業時間も早めだから、仕事が終わってから美容院に行ったり友達とご飯に行ったり、家でまったりしたり…
仕事の日でもプライベート時間をしっかり楽しめてます
メンズクリニックと一般的な美容クリニックの違いは?
メンズクリニックと一般的な美容クリニックを比較してまとめてみました。
メンズクリニックの客層にもよりますが働いている成人男性が多く、またAGA注射治療などの高価格帯の治療をされる患者様には会社の社長をしているという方も少なくないです。
そのため、社長と話せる機会も多く、お話をさせていただくだけで価値観やビジネスマインド、経営者視点など学びになることが多いです。
何か学びたいという視点ではなくても、考え方や価値観、経験の違いなどがあるため、プライベートのお話を聞くだけでも面白く感じることも多いです。
また、メンズクリニックに来院する患者だからといって美容が好きな男性患者はまだまだ少なく、スキンケアや紫外線対策をしたことがない人が大半です。
そのため、洗顔の仕方や日焼け止めの塗り方、スキンケアのことまで細かく丁寧に説明することが必要とされます。
また、スキンケアや紫外線対策が重要であると理解していない人も多いので、懇切丁寧に必要性を伝えて、きちんとスキンケアや紫外線対策ができているかなどの確認と継続的な患者教育が必要とされます。
【Q&A】メンズクリニックの看護師に関するよくある質問
私、美容ナースめいのTwitterにて転職の相談や質問をよくいただきます。その中で、メンズクリニックに関するよくある質問をまとめてみました。
Q1.VIO脱毛(デリケートゾーン)も女性看護師が施術するの?
回答を読む
私のクリニックでは、VIO脱毛は全て男性看護師が対応することになっています。
男性看護師の施術の介助に入ることはありますが、女性一人で施術対応することは一切ないです。
これは各クリニックの方針によって変わるかもしれないので、転職を考えていて気になっている人はエージェントに間に入ってもらうなどして確認するといいでしょう。
Q2.美容未経験でメンズ美容(メンズクリニック)ってどう?普通の美容クリニックに転職するべき?
回答を読む
何を優先するかによって変わるので一概には言えないです。
ただ、メンズクリニックは覚えることが比較的多くないので、美容未経験者であったり自分のペースで覚えたいという人に合っているでしょう。
そのため、まずはメンズクリニックで主要な美容医療の知識・技術を丁寧に学び、その後幅広く学びたい方やステップアップしたい方は一般的な美容クリニックへ転職して、さらに美容の知識・技術の幅を広げるというキャリア形成も可能です。
反対に、幅広く美容の知識・技術を学びたい、女性美容を深く学びたいという人にとっては、美容未経験者であっても一般的な女性メインの美容クリニックの方が合っているでしょう。
まとめ:人間関係重視の人はメンズクリニックがおすすめ
メンズクリニック(男性美容クリニック)に関して今までの内容をまとめると下記の通りです。
メンズクリニックまとめ
特徴 | 仕事内容 | 給料・年収 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
患者様は男性メイン 男性看護師が在籍していることが多い 治療メニューや美容医療機器の種類は多くない 社長と話せる機会に富む 母数が少ないのでブランディング・差別化戦略に強い 丁寧な説明や患者教育がとても重要 | AGA治療(頭皮の注射・植毛手術の介助など) ED治療・肌治療・痩身治療の美容医療機器による施術(レーザーなど) 手術の準備・介助・術後の経過観察 注射・採血・点滴(プラセンタ注射やビタミン点滴など) 医療脱毛 ピーリング ヒアルロン酸などの注入系施術の介助 ドクターズコスメや内服薬などの物販 | 月収28〜36万円/年収370~530万円(※ボーナス有の場合) | 男性看護師がいることで人間関係がいい 覚えることが多くないため自分のペースで学べる 健康な男性が多いので採血・点滴がしやすい 身体の負担が少ない メンズ美容を専門的に学ぶことができる | 女性美容について深く学ぶことができない 美容の知識・技術を幅広く身につけることができない 女性患者と接する時とは違った配慮が必要になる 変態から変な電話がかかってくることがある |
美容クリニックの転職において、譲れない条件や条件の優先順位を決めておくことは重要です。
勤務時間や残業時間、休日数や人間関係、キャリアアップ制度、身につけられる知識・技術の内容が大事など、人によって様々ですよね。
その中でも、特に自分が働く職場の雰囲気や人間関係を重視したいという方、元々メンタルが強くない方はメンズクリニックがおすすめといえます。
なぜなら、私が9年メンズクリニックで働いてきた経験においても、やはり職場に男性スタッフがいることで本当に陰湿な雰囲気にはなりにくく、さっぱりとした関係を築きやすいと感じているからです。
職場の人間関係で悩んで解決策をネット検索した経験がある人なら分かると思いますが、よく「人間関係はどんな職場でも付き纏うので自分の意識を変えよう」というようなマインド論を言っているサイトは多いですよね。
でもマインド論は、その人次第な部分が多過ぎてかなり再現性が低いと感じます。
人間関係が良好になりやすい職場には、ある程度特徴や傾向があるんです。
それは例えば評価制度であったり業務量であったり様々な要因がありますが、美容クリニックのような女性社会が大半の業界においては「男性スタッフがいること」は人間関係が良好になりやすい環境として、とても大きな要因になると言えます。
この記事が、美容クリニック転職を検討されている看護師さんのお役に立てれば幸いです。
転職先の選定など総合的かつ客観的な判断ができるよう、ぜひ他の記事もご覧になってみください。
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