- 美容外科や美容皮膚科など診療科によって給料・仕事の大変さ・働きやすさに違いはあるの?
- そもそも美容クリニックってどんな種類があるの?
- 自分に合っている美容クリニックが分からない
この記事では男性専門美容外科に勤務している美容ナース歴9年のわたしが「美容外科」「美容皮膚科」「脱毛専門クリニック」「男性専門美容クリニック」の種類別に、仕事・給料・職場環境の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
美容クリニックへの転職で失敗しないためには、「美容クリニックの診療科」や「どんな分野に特化した美容クリニックを選ぶのか」は、とても重要です。
美容クリニックには大きく分けて美容外科と美容皮膚科がありますが、もう少し細かく分けると「脱毛専門クリニック」と「男性専門美容クリニック」もあります。
本来、脱毛専門クリニックは美容皮膚科に分類されますし、男性専門美容クリニックに関しては、クリニックによって美容外科・美容皮膚科・脱毛専門に分けられます。
Web検索しても美容外科と美容皮膚科の違いについてしか記載されていないことが多いですが、実際には「脱毛専門クリニック」と「男性専門美容クリニック」も合わせた4つの分野で、仕事内容や働きやすさの違いがあります。
この記事を参考にして美容クリニックの選定をすれば、自分の働き方に合っていない分野の美容クリニックを選んで失敗することはないはずです。
美容クリニックの種類は4つ!それぞれの特徴と仕事内容の違いは?
美容クリニックは大きく分けて、美容外科と美容皮膚科がありますが、「仕事内容の違い」という視点でみると以下の4つに分類されます。
- 美容外科
- 美容皮膚科
- 医療脱毛専門クリニック
- 男性専門美容クリニック
それぞれの特徴と仕事内容を詳しく解説していきます。
今回説明する仕事内容以外にも、クリニックによっては看護師が受付・電話対応やカウンセリングなどを行います。
これはクリニックの規模や職種別に分担が決まっているクリニックかどうかによって変わります。
看護業務以外で美容看護師の仕事内容について、詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
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美容クリニックでの看護師の仕事内容と役割は?1日の流れを完全公開!
美容外科の特徴と看護師の仕事
美容外科は容姿を整える目的の美容整形手術をメインとして診療を行っています。
具体的には二重手術、鼻手術全般、輪郭形成手術や脂肪吸引術、豊胸術などがあります。
また、美容外科は美容皮膚科の診療科も取り扱っているところがほとんどで、看護師は外科か皮膚科のどちらかに配属されるという形でなければ、美容外科と美容皮膚科の両方の知識と技術を習得する必要があり、とにかく覚えることが多いです。
- 手術の準備・介助・術後の経過観察
- 注射・採血・点滴(プラセンタ注射やビタミン点滴など)
- 肌治療や痩身治療などの美容医療機器による施術(レーザーなど)
- 医療脱毛
- ピーリング
- ヒアルロン酸などの注入系施術の介助
- ドクターズコスメや内服薬などの物販
※ほとんどの美容外科は美容皮膚科の診療も行っているため美容皮膚科領域の施術も含めて記載しています。
美容外科看護師の主な仕事は手術の介助をメインとして、術前の準備や術後の管理、術後安静などに関するアフター説明やセルフケア指導も行います。
清潔不潔の管理や器械出し、全身麻酔を使った手術では全身管理のスキルが求められ、急変時にも臨機応変に対応できる看護スキルが必要となります。
美容皮膚科の特徴と看護師の仕事
一般的な皮膚科ではニキビ、湿疹、アトピー、水虫、皮膚腫瘍などの「皮膚疾患の治癒」を目的としており、保険診療で治療ができます。
一方、美容皮膚科ではニキビ、しみ、しわ、たるみ、毛穴の開きなど肌トラブルに関する治療を行い、「お肌を美しくする」ことを目的としています。
ニキビ(尋常性ざ瘡)は皮膚疾患なので、皮膚科でも保険診療で治療することができます。
しかし、美容皮膚科でのニキビ治療は炎症が起きているニキビを治すだけでなく、ニキビ跡の治療やニキビの再発防止のための肌治療、ニキビができにくいお肌にするためのスキンケア指導や生活習慣の指導も行います。
基本的な肌治療は1回の治療で効果を実感できるものではないので、治療回数を重ねる必要があります。
そのため、しっかりとお肌の経過をみていくことや、会話の中から患者様のスキンケア方法、生活習慣、仕事環境などの情報を引き出し、適切に患者指導を行っていくことも求められます。
- 注射・採血・点滴(プラセンタ注射やビタミン点滴など)
- 肌治療や痩身治療などの美容医療機器による施術(レーザーなど)
- 医療脱毛
- ピーリング
- ヒアルロン酸などの注入系施術の介助
- ドクターズコスメや内服薬などの物販
医療脱毛専門クリニックの特徴と看護師の仕事
脱毛治療にはエステ脱毛と医療脱毛があり、エステ脱毛でできるのは一時的な減毛のみです。
医療行為である永久脱毛(毛根を破壊する行為)はエステ脱毛では行えません。
医療脱毛を行う医療脱毛専門クリニックは、医療機関であるため医師が常駐しており、医師が肌状態を診察・診断し看護師が施術を行います。
万が一のトラブルの際にも、医療機関であれば医師がその場で診察し、薬の処方もできます。
医療脱毛の施術
(※注射・採血・点滴などは基本的にはない)
看護師は脱毛の施術、患者様のアフターフォローが主な仕事で、注射・採血・点滴などはクリニックの治療メニューになければ基本的には行うことはありません。
看護技術や経験がそこまで求められない診療科であり、経験の浅い看護師でも入職しやすいでしょう。
男性専門美容クリニックの特徴と看護師の仕事
近年、男性の美容意識は高まり、男性美容の需要も増加傾向にあります。
全国47都道府県の20代〜40代男性2,820名を対象に実施された「男性美容意識調査」の結果によると、
- 20代男性の5人に1人(19.9%)が「コロナ禍で美容意識が高まった」と回答
- 20代・30代の男性の5人に1人以上がメイクをしている
- 20代の半数以上(52.2%)が美容医療を「している」「検討している」
これからも男性美容の需要は増加し続け、それに伴い男性専門美容クリニックも拡大していくことが予想されます。
男性美容といっても女性と同様に、脱毛、シミ・ニキビなどの肌治療、痩身、ヒアルロン酸等の注入治療、美容整形手術などの美容医療を提供しています。
これらの治療に加えて、男性特有の悩みであるAGA(男性型脱毛症)や薄毛の治療、ED治療、男性器形成、女性化乳房修正術などの治療も行います。
- AGA治療(頭皮の注射・植毛手術の介助など)
- ED治療・肌治療・痩身治療の美容医療機器による施術(レーザーなど)
- 手術の準備・介助・術後の経過観察
- 注射・採血・点滴(プラセンタ注射やビタミン点滴など)
- 医療脱毛
- ピーリング
- ヒアルロン酸などの注入系施術の介助
- ドクターズコスメや内服薬などの物販
※美容外科・美容皮膚科分野の両方を含めた業務内容を記載しています。
男性専門美容クリニックではクリニックによって診療科が異なり、男性専門美容クリニックの中でもさらに「美容外科」「美容皮膚科」「医療脱毛専門クリニック」に分けられます。(※美容外科は美容皮膚科の診療科も取り扱っているところがほとんどです。)
さらに男性専門美容クリニックでは男性看護師が在籍していることが多く、一般的な女性社会の職場環境とは異なり、風通しの良い職場環境になりやすいということも特徴として挙げられます。
【美容クリニック4タイプ別】看護師の給与水準を比較
美容クリニックの 種類 | 給与水準 |
---|---|
美容外科 | 35〜41万円 収益性が高く、美容皮膚科よりも給料が高い傾向にある。 |
美容皮膚科 | 28〜36万円 |
医療脱毛専門 クリニック | 30〜38万円 |
男性専門 美容クリニック | 28〜36万円 AGA治療で内服薬の処方だけではなく注射治療なども行っているところでは収益性が高い。 |
美容外科では美容皮膚科の診療もしているところが多く、幅広い知識と技術が求められます。
さらに、美容外科で取り扱う美容整形手術は治療金額が高く、その金額の高さがそのまま収益性の高さと繋がっており、看護師の給料も高くなる傾向にあります。
医療脱毛専門クリニックは美容外科・美容皮膚科と比べると覚えることは多くないにも関わらず、給料は高い傾向にあります。
男性専門美容クリニックの場合も、外科、皮膚科、脱毛専門なのかによって習得が必要な知識・技術の多さは異なりますが、基本的には一般的な女性向けの美容クリニックよりも取り扱っている治療メニューや美容医療機器の種類が少ないことが多いです。
このように「覚えることは多くないのに、給与水準が高い」という特徴に魅力を感じる人も多くいます。
【美容クリニック4タイプ別】働きやすいのは?看護師の職場環境の違い
残業時間
残業時間の違いについては、オペのある美容外科は残業が発生しやすいという特徴はありますが、実際にはクリニックの方針や体制によっても異なります。
そもそも美容クリニックは基本的に完全予約制のため、一般病院などと比べると残業が発生しにくい環境にあります。
ただし、オペがある美容外科ではオペが長引いて残業が発生することもあります。
また、美容クリニックの方針で患者様の来院できる時間帯を優先し、残業が発生することもあります。
時期によっても残業時間に差が出ることがあります。
GWやお盆休み、年末年始のお休みなどの大きな連休前や連休中は繁忙期にあたり、患者様の来院数が増えるので残業が多くなりやすいです。
このように美容クリニックの体制や時期によっても残業時間に差があり、残業が多いか少ないかは美容クリニックによって異なります。
残業の少ないところだと月に5時間程度だったり、多いところで月に15〜20時間の残業が発生するクリニックもあります。
いずれにしても、病棟での残業時間に比べると比較的少なくなる方も多いのではないでしょうか?
美容クリニックでは病棟のように朝の情報収集などはなく、前残業が基本的にありません。
病棟では、情報収集のために始業時間の1時間前に出勤するという方も多いと思います。
医労連の「2017年看護職員の労働実態調査」によると、一般病棟では終業時間後の残業が1時間を超える人は58.0%と多いです。
また、不払い労働(サービス残業)を行っている看護職員は約7割で、その業務内容の内訳は「記録」約6割、「情報収集」約5割、「患者への対応」約4割となっています。
出典:日本医療労働組合連合会「2017年看護職員の労働実態調査」
【調査対象】
1.病院、診療所はじめ、訪問看護や老健施設などの介護施設も含む。
2.看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)
3.日本医労連の組合員を基本とする。
【調査期間】2017年5月1日〜2017年7月25日
【回答者数】33.402人
この調査結果の通り、情報収集で前残業、記録や終業時間直前の緊急入院の対応で残業というのは、病棟看護師にはよくある話ではないでしょうか。
人間関係
人間関係に関しては美容クリニックによるところが大きいですが、4タイプの美容クリニックで比較すると、男性看護師の在籍率が高い「男性専門美容クリニック」は人間関係に悩みにくい環境といえます。
20〜39歳の女性351人にアンケート調査をした結果によると、「女性が多い職場」よりも「男性が多い職場」の方が働きやすいと答えた人は60.8%となっています。
一般的な美容クリニックは基本的には女性社会です。
女性しかいない職場では人間関係が複雑で、風通しの悪い職場環境になりやすい側面があります。
- 陰湿・細かい
- 感情的
- 派閥ができる
- 奇数になると仲間はずれやターゲットができやすい
- 陰口・悪口が多い
- 裏表がある
一方、基本的に男性は裏表がなく陰口をいうような人はほとんどいませんし、感情的にならず中立的な立場で物事を捉えられる性質があります。
そのため、男性のいる職場ではさっぱりとした人間関係を築きやすく、風通しの良い職場環境になりやすい傾向にあります。
美容クリニックの人間関係や見極め方を詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
人間関係がいい美容クリニックの見極め方!4つのポイントを徹底解説
わたしは病棟の職場の雰囲気やお局の存在に耐えかねて3ヶ月で辞めてしまい、転職する際に人間関係を1番重視して男性専門美容外科に転職しました。
その結果、今の男性専門美容外科では勤続8年を達成できています。
やはり女性だけの職場に比べて、男性がいることで派閥ができにくかったり、陰湿な人間関係にもなりにくく、いつも職場の雰囲気を和やかにしてくれるようなところがあると感じます。
また、男性看護師がムードメーカーになってくれることも多く、スタッフ同士が衝突しないよう緩衝材的な役割をしてくれています。
一方で系列の一般的な女性メインの美容クリニックの方では、スタッフ全員が女性で「派閥がある」「新人へのあたりが強い」という話を耳にすることがあります。
「嫉妬」という感情は異性よりも同性に対して強く感じるものです。
人は自分自身を同性の人と比べてしまう傾向にあり、異性は自分とは違う性別であるために比べようがないと無意識に感じているからです。
これは感覚的に分かる方も多いのではないでしょうか?
しかしながら、男性のいない美容クリニックでも一般的な病院などの医療施設の職場環境と比べると、人間関係のトラブルは発生しにくいといえます。
病院で働く看護師は夜勤やサービス残業が多く、通常の看護業務に加え看護研究や委員会活動もこなさなければなりません。
また、人員不足の問題もあり過酷な労働環境にあります。
さらに患者さんの命を預かっている責任の重さから、身体的負担や精神的負担は大きいです。
このような背景から、一般的な病院では日頃から看護師の抱えているストレスは大きく、心にゆとりのない状態になりやすいため、人間関係が悪くなりやすい傾向にあります。
業務負担
手術のある美容外科は看護師の業務負担が大きいです。
美容皮膚科や医療脱毛専門クリニックに比べて、看護師としての知識や看護力が必要になる場面が多くあります。
そのため、最初はとにかく覚えることが多いですし、時間管理も必要なため先を読んでテキパキと行動したり、イレギュラーな事態にも迅速に対応できる判断力が必要とされます。
レーザー照射などが一般的な仕事となる美容皮膚科や医療脱毛専門クリニックでは、美容外科よりも負担が少なく穏やかに働ける傾向にあります。
しかし、オペ室での経験がある方や幅広い美容医療を学びたい方、これまでの看護師としての知識や技術、看護力を活かして働きたい方にとっては、美容外科の仕事にやりがいを感じやすいといえます。
美容外科は他に比べて業務負担が大きい一方で、看護師としてのやりがいを感じやすい診療科であるともいえます。
医療訴訟のリスク
4タイプの美容クリニックの中で、美容外科は特に医療訴訟のリスクが高い傾向にあります。
レーザーなどの美容医療機器による施術と比べて、美容整形手術は侵襲が大きく患者様にとっては身体的にも精神的にも負担が大きいものです。
術後に「仕上がりが思っていたのと違う」となる患者様も多く、身体的精神的負担に加えて多額な費用もかかっているだけに、些細な認識の違いで医療訴訟に発展するケースもあります。
このような医療訴訟に看護師も巻き込まれてしまう可能性もありますし、今の時代SNS等で美容クリニックや医師の評判などもすぐに拡散されてしまいます。
患者様からのクレームや訴えられているケースが多い美容クリニックは、口コミやSNS等ですぐに評判が出回って集客ができなくなり、最悪の場合経営が破綻してしまって美容クリニックがつぶれてしまうこともあります。
これらの点を踏まえて、特に美容外科への転職を検討している看護師の方は、以下の点をしっかりと確認しておく必要があります。
- 医師の腕・評判・経歴・資格など
形成外科での経歴や、「形成外科専門医」「JSAPSの美容外科専門医 」として認定されているかなどの情報も判断基準として持っておく - 経営が安定しているところか
経営の安定性について個人で調べるのは難しいので、美容クリニックの内部事情に強い転職サイト(転職エージェント)を利用して確認するのがおすすめ
上記の2点において引っかかる部分がある、不安がある場合は応募しない方がいいでしょう。
【体験談】各美容クリニックで働く看護師目線のそれぞれのメリット・デメリット
実際に4タイプの美容クリニックでそれぞれ勤務している現役美容看護師、勤務経験のある元美容看護師にアンケート調査で聞いた、リアルなメリット・デメリットについてまとめました。
アンケート調査での回答内容も一緒に紹介していきます。
美容外科で働く看護師のメリット・デメリット
- 美容皮膚科の診療も行っているところがほとんどのため、幅広く美容医療の知識や技術を身につけられる
- 社員割引で自分自身が美容皮膚科分野の施術も美容整形手術も受けることが可能
- 4タイプの美容クリニックの中で最も給料が高い傾向にある
- 注射や点滴だけでなく手術室看護のスキルも必要になるため、看護師としてのスキルをキープしやすい
- 美容整形のメリット・デメリットを学ぶことができる
- 4タイプの美容クリニックの中で看護技術を活かす場面が最も多く、看護師としてのやりがいを感じやすい
整形に興味はあっても少し敬遠していたところがあったけど、美容外科で働くと整形のメリットデメリットを学ぶことができる。どのオペをしたらどのような仕上がりになるのかや、先生が患者様にカウンセリングしている場面に立ち会うこともあるので、整形を身近に感じることができる。看護技術を活かす場面も多くやりがいがある。
(35歳女性 個人の美容外科に4年勤務)
美容皮膚科、美容外科の両方の知識・技術を身につけることができる。手術もあるため、点滴や採血、オペ室での全身管理について技術を深めることもできる。
(27歳女性 大手美容クリニックに2年勤務)
社員割引で自分が安く美容整形手術を受けられたり、家族割があったことがメリット。
(男性・勤務時26歳 大手美容外科クリニックで1年勤務)
美容を幅広く学ぶことができる。病院時代に培った技術や知識が役に立つ。特にオペ看をしていた人は、美容のオペでも清潔不潔の管理は一緒だったり、器械の使い方も基本的には病院と一緒。また、硬膜外麻酔症例、場所によっては全身麻酔症例もあるため、今までの知識を活かして介助につきやすい。
(27歳女性 大手美容外科に1年勤務)
手術室や外科での経験が活かせる。オペ介助の経験を得られれば今後もっといい条件で転職できる。色々勉強ができて、たくさんの経験を積める。
(女性・勤務時24歳 大手の美容外科に半年勤務)
- 美容外科と美容皮膚科の両方の知識・技術が求められるため覚えることがとにかく多い
- 美容皮膚科や脱毛クリニックに比べて幅広い看護スキルを求められる
- イレギュラーな事態が起こった時の看護師としての対応力が必要
- 業務内容の幅が広い
- 長時間の手術では身体的負担が大きい
患者様の全身状態の把握や手術中のモニター確認など専門的な知識が必要になるので、ある程度病棟で看護技術、知識をつけてからでないと、万が一緊急事態が起こったときに対応できないと思う。
(35歳女性 個人の美容外科に4年勤務)
美容皮膚科、美容外科の両方の知識・技術を身につける必要があり勉強量が多い。手術など状況により長引くことも多く、残業になることもある(病院勤務ほどではない)。
(27歳女性 大手美容クリニックに2年勤務)
長時間を要する手術では身体的ストレスがかかる。男性スタッフが本当に少ない。
(男性・勤務時26歳 大手美容外科クリニックで1年勤務)
覚えることが多い。外科をこなしつつ皮膚科分野の施術もこなすのは、かなりハードスケジュール。病院に比べると清潔不潔の定義が不明瞭な場合がある。初めの頃はけっこう不潔だなぁと戸惑った。しっかりと清潔不潔の定義を学んできた人からすると納得できない可能性がある。
(27歳女性 大手美容外科に1年勤務)
覚えることがかなり多い。長時間の手術だと体力的に大変。あまり患者様とのコミュニケーションが取れない。
(女性・勤務時24歳 大手の美容外科に半年勤務)
美容皮膚科で働く看護師のメリット・デメリット
- 美容皮膚科の分野を専門的に学ぶことができる
- 美容外科ほど覚えることが多いわけではない
- 手術室看護のスキルは必要ない
- 肌治療などその美容皮膚科で行っている施術は自分自身も社員割引で受けることができる
- 脱毛クリニックに比べて仕事内容に飽きにくい
専門の医師の診察を間近で聞けるので正しい知識がつく。皮膚科の保険診療もあるので、美容を辞めたいと思った時に他科臨床に戻りやすいと感じる。デモや練習として施術を受けることができるのもメリット。
(26歳女性 保険診療有りの個人美容皮膚科に勤務 1年目)
美容皮膚科は機械の使い方や施術の仕方を覚えてしまえば楽。特別な看護の知識がなくても、美容初心者の人でも入りやすいと思う。自分が患者様に直接施術するため、ビフォーアフターや患者様の喜ぶ顔を間近で見ることができる。肌に特化した美容の知識を得ることができる。
(35歳女性 大手美容外科の皮膚科部門に3年勤務)
- 社員割引で美容整形手術を受けることはできない
- 脱毛クリニックに比べて業務内容の幅は広いのに、給料は脱毛クリニックとほぼ同等
- 注射や点滴などの基礎看護技術はキープできるが、創部の観察やアセスメント・術後処置などの知識技術は衰えやすい
- 手術室看護を身につけることができない
給料が安い。院長の方針で、導入する機械や薬剤、取り扱う化粧品が決まるので、良いなと思う施術の手技が必ずしも習得できるわけではない。
(26歳女性 保険診療有りの個人美容皮膚科に勤務 1年目)
ずっと同じ体勢で施術することが多いので、肩こり腰痛は悪化する。
(35歳女性 大手美容外科の皮膚科部門に3年勤務)
医療脱毛専門クリニックで働く看護師のメリット・デメリット
- 脱毛のスペシャリストになれる
- 美容外科・美容皮膚科と比べると覚えることは多くない
- 基本的に主に覚えることも業務内容も脱毛だけでいいのに給料が高い
- 基本的に注射や点滴などの看護スキルは必要ない
自分も脱毛できたのが1番のメリット。
(41歳女性 大手脱毛クリニックに1年勤務)
覚えることが少なく、大きなトラブルもあまりない。
(29歳女性 脱毛メインの美容クリニックに2年勤務)
- 仕事内容に飽きやすい
- 手術室看護のスキルが身につけられないだけでなく、注射や点滴などの基礎看護技術も衰えやすい
- 社員割引で脱毛は受けられるが美容整形手術や美容皮膚科の施術は受けられない
- 腰痛・腱鞘炎になりやすい
看護師ということを忘れる。やりがいを感じない。
(41歳女性 大手脱毛クリニックに1年勤務)
毎日同じ作業なので飽きてしまう。そのため人の入れ替わりも多いかなと思う。
(29歳女性 脱毛メインの美容クリニックに2年勤務)
男性専門美容クリニックで働く看護師のメリット・デメリット
- 男性美容を専門的に学ぶことができる
- 男性看護師も多く、風通しの良い職場環境になりやすい
- 基本的には一般的な美容クリニックよりも扱う治療メニューや機械が少ないため、覚えることも多くはない→美容初心者向け
- 健康な男性が多いので採血・点滴がしやすい
- AGA治療の頭皮の注射はスキルが必要なく座って施術ができたり、脱毛も女性と比べて全身脱毛よりもヒゲ脱毛が多く、施術による負担は少ない傾向にある
男性美容に特化している。男性美容における経済効果は年々高くなっていて、実際に働いていてそれを経験することができる。男性スタッフも多いので、人間関係があっさりしている。
(27歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに2年勤務)
女性相手よりも男性相手の接客の方が気が楽だし楽しい。女性の場合、品定めされているように感じてプレッシャーだし気を遣う。
(28歳女性 大手美容皮膚科クリニックに1年勤務→男性専門美容クリニックに転職し2年勤務)
男性看護師であれば同性ならではの視点からアドバイスができ、やりがいを感じることができる。男性美容において「女性からの視点」もとても重要で、女性看護師もニーズがある。
(31歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに3年勤務)
- 扱う治療メニューや機械が限られており、幅広く美容の知識・技術を身につけることができない
- 同性の患者様と接する時とは違った配慮が必要になる
女性美容について深く学ぶことができない。
(27歳女性 男性専門美容皮膚科クリニックに2年勤務)
女性と男性とでは接客の仕方が変わる。論理的で結果を大事にするのが男性なので、治療の提案の仕方も工夫が必要。
(28歳女性 大手美容皮膚科クリニックに1年勤務→男性専門美容クリニックに転職し2年勤務)
美容クリニック分析と自己分析で転職成功が叶う
美容クリニックを4タイプに分類して、比較した内容をご紹介してきました。
一般的な仕事内容の違いやそれぞれのメリット・デメリットなどをお伝えしてきましたが、働きやすさややりがいの感じ方にはもちろん個人差があるため、4タイプの美容クリニックの違いをあらかじめ知った上で、綿密に自己分析と美容クリニック分析を行うことが重要です。
自己分析と美容クリニック分析をした結果、そのマッチング度合いが高いところほど転職成功しやすいといえます。
美容クリニック分析を行う上で、大切なのが美容クリニックの情報収集です。
集められる情報が多ければ多いほど、その美容クリニックが求めている人物像を浮き彫りにすることができ、内定をもらえる確率が上がったり、転職後に後悔するようなリスクを減らすこともできるでしょう。
美容クリニックの情報を入手する方法を以下にまとめました。
- 美容クリニックのHP
①理念・ミッション・ビジョン、事業内容、沿革
②代表・理事長のメッセージ
③院長・スタッフブログ
④スタッフの声・スタッフインタビュー
⑤ニュースリリース(HP以外にもクリニック名で検索しリリース記事を探す) - 転職サイトの求人情報やスタッフ・採用担当者に取材した記事
- Facebook・Twitter・InstagramなどのSNS
- 代表・理事長の著書や講演記録
- 転職エージェントが持っている情報
ここで重要なのは「転職エージェントが持っている情報」です。
転職エージェントはその美容クリニックが求める人材を理解するために、採用担当者から裏情報を直接ヒアリングし、求人サイトやHPからは情報収集できないような非公開情報を持っているのです。
適性検査の種類や面接官の人柄、面接で何を見ているのか、採用される人物像などを把握しています。
転職エージェントをこれから利用する方も、すでに利用している方も、転職エージェントからもらった求人票だけを頼りに面接準備をするのはやめましょう。
転職エージェントが持っている情報を上手く活用して、自分にマッチした美容クリニックを引き出したり、内定をもらう確率が上がるようにできるだけ情報を入手しておくことが重要です。
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