- アートメイク看護師になる方法は?
- 特別な資格やスクールは必要?
- 仕事内容や給料の実態は?
- どんなメリット・デメリットがあるの?
- 何歳まで働けるのか、将来性を知りたい!
今回はこのような疑問にお答えしていきます!
アートメイク看護師の実態や就職事情など、リアルな情報を調査するために、現役アートメイク看護師3名にインタビューを実施しました。
多角的な視点でアートメイク看護師のリアルを調査するため、あえて3名もの現役アートメイク看護師にお話をお伺いしています。
全て、インタビュー内容を元に徹底解説していきます。
インタビューした現役アートメイク看護師
今回インタビューさせていただいた、3名の現役アートメイク看護師を紹介します。
アートメイク業界では誰もが知る著名人&超人気の現役アートメイク看護師。THE ARTMAKE TOKYOに所属。元々美容にいきたい思いがあり、就職した病院で形成外科と皮膚科の混合病棟を選び、3年半勤務。その後大手総合美容クリニックで7年勤務し、働きながら美容学校とアートメイクスクールへ通う。同じくスクールへ通っていた西川医師(現TAT理事長)と出会い、共同でアートメイク専門クリニックを立ち上げる。現在はアートメイク看護師として活躍しながらアートメイクスクールの運営も行っている。
櫻井グリコさんとツートップで大人気且つ名高い現役アートメイク看護師。THE ARTMAKE TOKYOに所属。大学病院(形成外科・脳外科の混合病棟)で1年勤務。学生時代から目指していた美容の道に進むべく、総合美容クリニックへ転職し10年勤務。美容クリニックで働きながらアートメイクスクールに通い、卒業後大手アートメイク専門クリニックへ転職。アートメイクの経験を積んだ後に、フリーランスへ転向しTHE ART MAKE TOKYOへ所属となる。櫻井グリコさんと共にアートメイクスクールの運営を行っている。育児と両立しながら働く、ママアートメイク看護師。
美容業界全般的に名声を博する現役の美容&アートメイク看護師。自身の美容クリニックであるLIAN clinicを立ち上げ、クリニックの代表と看護技術総責任者を務めている。アートメイクも美容施術も網羅的に行う。OPE室に1年勤務し大手総合美容クリニックへ。美容看護師としての経験を積んだ後に美容皮膚科クリニックの立ち上げに携わり副主任を務め、その後総合美容クリニックの立ち上げ、主任を務めながらアートメイク部門を立ち上げる。その後フリーランスに転向し、自身が代表を務めるアートメイク看護師専門会社のメドビューティー(現LIAN ARTMAKE)を立ち上げ、運営。その後LIAN clinicを立ち上げ、メドビューティーはLIANへ移転。育児と両立しながら、代表としても看護師としても活躍している。
アートメイク看護師とは
アートメイク看護師とは、アートメイクの施術を専門としている看護師のことです。
アートメイクは眉・リップ・アイラインなど、色を入れたいところにインクを入れて着色していく施術です。洗っても落ちないので、メイク時間の短縮ができることや、スッピンでも眉やリップがキレイな状態を保てるのが魅力。
タトゥー・刺青はターンオーバーの影響を受けない真皮中間~深層(真皮の深い部分)に色を入れるため、半永久的に色が残ります。
一方、アートメイクは真皮浅層(真皮の浅い部分)に、色を入れていくため、肌の代謝と免疫反応によって数年で色が薄くなっていきます。
アートメイクは「医業」に位置づけられており、「医業」は医師しかなしてはならないと医師法で定められています。
ただし、条件を満たせば看護師が施術を行うことができます。その条件とは、「医師が常駐しているクリニックで医師の監督下・指示の元で看護師が施術を行う」というものです。
つまり、アートメイクの施術を行えるのは、「医師もしくは医師が常駐しているクリニックの看護師だけ」ということです。これらの条件以外でアートメイクの施術を行うことは医師法違反となります。
アートメイク看護師になるには?資格・スクールの必要性
アートメイク看護師になるために、具体的にどのような手順を踏んでいけばいいのか、分からない方も多いのではないでしょうか?
アートメイク看護師になるために、資格やスクール受講は必要なのかという点も含めて、解説していきます。
看護師資格が必要
冒頭でお伝えした通り、アートメイクの施術を行えるのは「医師もしくは医師が常駐しているクリニックの看護師だけ」です。
そのため、アートメイク看護師になるためには、前提条件として「看護師資格」または「准看護師資格」の取得は必須です。
では資格取得後は、どのような手順でアートメイク看護師になるのでしょうか。
アートメイクスクールに通うのは絶対に必要なの?
結論から言うと、スクールに必ずしも行く必要はなく、アートメイク専門クリニックに就職して先輩から技術を教えてもらうのが一番おすすめです。
スクールは安く見積もっても100万はかかりますし、スクールで習えることなんて実務の5%くらいです。人工皮膚(アートメイクの練習シート)に彫れるようになっても、実際人の皮膚だと全く別物ですし、人工皮膚の時は考えなくてよかった「筋肉の動き、骨格、 表情のクセ、ゲストの好み、皮膚の色とインクの相性、麻酔の効き、皮膚の薄さ」などなど問題
が山積みになります。
また、アートメイク看護師はカウンセリングや接客のスキルも必須となります。
しかしアートメイクスクールでは接客は習えないため、自分で何とかするしかありません。
スクール1つ出て、そのままフリーランスでやってしまおうという安易な考えは、後々自分が困ることになります(クレーム等でゲストから訴えられることはままある業界)。
接客やカウンセリングに関しては病棟だと学べない分野なので、迷っているのなら美容クリニックへ転職してしまって、働きながらスクールへ通ったりするのが良いと思います。
アートメイクは美容施術との親和性が高いので、美容外科、美容皮膚科の勉強をしていて損は全くないです。美容経験がなくて、 ボトックスなどのイメージがつかなくて困っているアートメイク看護師は多数見たことがあります。
美容クリニックで接客スキルや美容施術の知識も深めながら、スクールへ通うのも選択肢としてありなんですね。
未経験の人がアートメイクスクールに通って、技術習得をしただけでは雇ってもらえないと聞いたのですが本当ですか?
そうですね。スクールを出ても結局アーティスト(アートメイク看護師)になれない人が今たくさんいるんですよね、受け皿がなくて。
やっぱり未経験で雇ってもらえるところは少なくて、クリニック側は基本即戦力が欲しいので、経験者を欲しがるところが多いです。
未経験だからこそ、まずはスクールに通って技術習得って考えてしまいがちですが、実際には重要ではないんですね。
そうですね。スクールだけ出てもダメなので、やっぱり未経験で雇ってくれるアートメイク専門クリニックへの就職が第一選択で、それが難しい場合は、アートメイクもやっている小規模な美容クリニックを見つけるのがいいと思います。
分かりました。では「スクールに通うのは必須ではない」ということを前提に、この次の章でアートメイク看護師になる方法を具体的に解説していただきます。
アートメイク看護師になる方法は3通り
アートメイク看護師になる方法は、大きく分けて3通りあります。
- アートメイク専門クリニックに就職(★1番オススメ)
- アートメイクメニューもある美容クリニックへ就職
- 美容クリニックで働きながらスクールに通ってアートメイク部門を立ち上げる
それぞれ詳しく解説していきます。
アートメイク専門クリニックに就職
スクールに行かず、アートメイク専門クリニックに就職するのが一番スマートです。
専門クリニックがいいのはアートメイクしかやらなくていいところ。アートメイクのメニューがある美容クリニックもあるけど、アートメイクは他の施術をしながら片手間にできるような仕事ではないので、本当に集中してやるべきなんです。
アートメイク専門クリニックの中でも、施術者とは別に講師専門の人がいるようなクリニックだと、きちんと指導してもらえるので凄くいい環境なんですよ。座学も1週間みっちりやって、その後人に施術できるように教え込まれます。
「美容未経験」「アートメイク未経験」でもアートメイク専門クリニックに入れるんでしょうか?
両方未経験でも入れるクリニックもあります!その代わり、毎月100人面接して採用されるのは2人、多くて4人とかです。
アートメイク専門クリニックに就職するのが最もオススメできる方法です。
しかし、もし就職できなかった場合は、この後解説する「アートメイクメニューもある美容クリニックへ就職」をするか、「美容クリニックで働きながらスクールに通ってアートメイク部門を立ち上げる」という選択肢があります。
アートメイクメニューもある美容クリニックへ就職
アートメイク専門クリニックに入れなかったら、個人経営とか小規模な美容クリニックでアートメイクもやっているようなところに就職するという選択肢があります。
運が良ければ、こういうクリニックに未経験で入れる人もいます。
こういう小規模な美容クリニックでも、未経験で入れるところなら先輩から直接アートメイクを教えてもらえるから、未経験者向けのアートメイクスクールに通う必要はないって感じですか?
そうですね!やっぱり本当だったら、先輩のいる環境で学べるのが一番いいので。
基礎ができるようになったら各々スキルアップのためのスクールに通うと良いですね。
未経験者は先輩のいる環境で学ぶのがよくて、スキルが身についた後はアートメイク経験者向けのスクールでスキルアップしていくのが良いんですね!
美容クリニックでアートメイク部門を立ち上げる
自分が今勤めてる美容クリニックがあるんだったら、その中で「アートメイク部門を立ち上げたいです」って提案して、そこの院長とかオーナーがスクール費用出してくれるパターンも結構あります。全額出してくれたり折半してくれたり。でもそれは、どれくらいの売上を出せるかっていうのが自分でプレゼンできないと難しいです。
アートメイク部門を立ち上げるのは、例としては稀なんでしょうか?
アートメイク専門クリニックみたいに看護師がたくさんいる環境でアートメイクするんだったら利益が出るんですけど、1人とか2人しかいないのって利益出ないんですよ。
なので、クリニックのオーナーからしたら、看護師にアートメイクしてもらうよりも脱毛とかしてもらう方が売り上げに繋がるし、アートメイク部門を立ち上げるのって(クレーム等の)リスクを抱えるだけで、メリットないんですよね。
じゃあ自分のクリニックでアートメイク部門を立ち上げるっていうのはコスパ悪いし、それができるのは本当に稀なんですね。
稀ですね!非常にコスパ悪いので、どこのオーナーもやりたがらないですね。
本当に院長と仲が良かったりする人はできてるけど中々難しいです。
アートメイク看護師の年収・お給料
アートメイク看護師のお給料は、クリニックに雇用されているのかフリーランスなのかによっても変わります。
現役アートメイク看護師に調査した給料事情を下記の表にまとめました。
統計結果ではないので、あくまでも参考程度にご覧ください。
勤務形態 | 雇用されている | フリーランス |
---|---|---|
年収 | 500万~900万 | 600万~3,000万超え(天井なし) |
ボーナス | クリニックによって有無が分かれる | なし |
給与形態 | 固定報酬+インセンティブ(指名分) | 完全出来高制 |
雇用されているアートメイク看護師でも、病棟時代のお給料の倍はあると思います。
病棟看護師の年収が大体400万くらいで、美容看護師の年収がおそらく600万いかないくらいだと思うんです。
アートメイク看護師だと雇用でも年収900万はいくところが割とあります。人によるので幅があるんですけど、正社員だと500~900万くらいが相場だと思います。クリニックによっても差がかなりありますね。
フリーランスになると天井がないので、年収3,000万以上稼ぐ看護師もいます。
人によってかなり差がありますか?
そうなんです。施術の単価にもよりますし、講師をするかしないかでもかなり変わります。
フリーランスは特に頑張ったら頑張った分だけお給料になるので、ガッツリ働いていればお給料もガッツリ入るし、別にゆるく働きたい人はゆるく働けばいいし、みたいな感じですね。
アートメイク看護師の注意点(デメリット)6つ
アートメイク看護師の注意点(デメリット)として考えられるものは6つあります。
- 責任が重い
- 体調管理が大変
- 最新の情報・技術の勉強が常に必要
- 勉強代にお金がかかる
- 他の美容施術を忘れがち
- SNS運用の勉強が必要
現役アートメイク看護師の方々に、本音で語っていただきました。
それぞれ解説していきます。
責任が重い
例えば病棟看護師の時は、医師の指示の元に看護業務を行っているので、何かあっても医師の責任になる部分が大きいんですよね。でもアートメイクは個人の手技とか、接客に対してクレームがくることがあります。
アートメイクをしててクレームをもらうのって、割合的にけっこう多いものなのでしょうか?
私の場合は最初に教育をしてくれた人が、「クレームを防ぐためのアートメイク」っていうのをきちんと教えてくれる人だったので、私自体は大きなクレームをもらったことは今まで一度もないです。
ただ、他のアートメイク看護師の話を聞いていると、ちらほらクレームの話は聞きます。
アートメイクは施術後に「やっぱりイメージと違う」と、万が一なってしまった時のリカバリーが効きにくい施術。それがすごく怖い。自分のせいでお客様を3年も4年も苦しませてしまうっていう責任がついてきて、結構メンタルにきますね。それが辛くて辞めちゃう子も見てきました。
病棟看護師のような「命を預かる責任の重さ」とは違った、別の責任の重さが、アートメイク看護師の仕事にはありますね。
体調管理が大変
シビアな体調管理は必要ですね。基本的に2か月先まで予約が埋まってて、指名が多いアートメイク看護師は代えが利かないので、休むとお客様に多大なる迷惑をかけてしまうんですよね。
なので私は絶対に無理しないって決めてて、仕事に穴開けられないので、体調管理は凄く気を付けてます。
最新の情報・技術の勉強が常に必要
今まで習得してきた技術が、すぐに時代遅れになっちゃうんですよね。きちんと技術を磨き続けないと、後から始めた人にもどんどん抜かされます。
なので常に新しい情報・技術を更新し続けないといけないので、一生勉強。でも好きなことをやってるので、勉強するのもけっこうお金かかるんですけど、全然苦にならないんですよね。
美容クリニックも次々と新しい機械や施術が導入されたりするので、最新の美容医療の勉強が必要とされますが、みんな楽しんで勉強している印象です。美容が好きで美容業界に来た人なら、勉強が苦にならないことが多いですよね!
勉強にお金がかかる
未経験者のためのアートメイクスクールは100万以上かかりますし、アートメイク看護師になった後の経験者向けのセミナーが1つにつき30万くらいかかります。
経験者向けのセミナーは、どれくらいの頻度で受けるんですか?
自分が受けたいと思ったセミナーを受ければいいので、受けない人は全く受けないと思うんですけど。
私は受けたいセミナーがあったらすぐに受けるようにしてます。
アートメイク看護師になった1年目は、総額250万くらいかかりました。
私の場合はけっこう受けている方だと思うので、一般的には年に2~3回くらいじゃないですかね。なので、年で100万くらいかかるイメージだと思います。
なるほど。でも大事な自己投資ですよね。勉強に投資して、それがまた自分のスキルアップに繋がって、それによって指名が増えていけばお給料に反映されて最終的にお給料アップにも繋がりますよね。
そうですね。やっぱり勉強するかしないかで、かなり差がつくと思います。
色々なアートメイク看護師のやり方とかを勉強して、自分に1番向いてるやり方を取り入れるのは凄くいい方法ですね。
他の美容施術を忘れがち
良くも悪くもアートメイクを専門的にやっていくので、他の美容施術を忘れがちになりますね。
美容医療って今何が流行ってるんだっけ?っていうのはリサーチしないと、どんどん置いてかれます。
アートメイク看護師として働いていても、全般的な美容医療のリサーチが必要になるんですか?
やっぱり皮膚に施術するので、お客様がどんな美容施術を受けてきたかっていうのは分かっていないと、大変ですね。美容施術後のダウンタイムが被ってることもあるので、大事だと思いますね。
SNS運用の勉強が必要
特にフリーランスになるとSNSマーケティングの勉強が必須になってきてて、苦手な人は苦手かもしれないです。
でも、私がアートメイク業界に参入した時って、SNSは全然盛んじゃなかったんですよ。
でも、うちのクリニックがSNSマーケティングを本気でやっていこうっていう方針でスタートして、そこで半年くらいで急成長したんです。多分それを見て、アートメイク業界全体でSNSやらなきゃってなったんですよね。
SNSのマーケティングスキルが身につくという点ではメリットにもなり得ますね!
では次に、アートメイク看護師のメリットについてお伺いしていきます。
アートメイク看護師のメリット9つ
アートメイク看護師のメリットは9つあります。
- 看護職の中でも給料の高さが断トツ
- フリーランスになって自由な働き方ができる
- 体力的に楽
- 自分にしかできない仕事でやりがいが大きい
- 勉強が楽しい
- 1つのことを極められる(シングルタスク)
- 自分の技術でお客様に直接喜んでもらえる
- 自分で開拓していける魅力がある
- 親しい人に喜んでもらえることが多い
それぞれ詳しく解説していきます。
看護職の中でも給料の高さが断トツ
給料の高さについては先程お話した通りです。
病棟看護師の年収が400万くらいで、美容看護師がおそらく600万いかないくらいだと思うんですよね。
で、アートメイクの看護師って完全に雇用でも900万はいくところが割とあります。フリーランスだと3,000万以上いく人もいます。
だからアートメイク看護師は人気あると思うんですよね。
多分お給料の面だけ見て、安易になりたい人が凄く増えてるんですけど、お給料が高いなりに、やっぱり大変なところはあります。
フリーランスになって自由な働き方ができる
私が目指した時点でもフリーランスでやってるアートメイク看護師さんはいましたし、「こういう働き方が看護師にもできるんだな」って思って、子供がいる私にとっては、予約枠でシフトを管理できる、自由にフリーランスで働けるっていうのはかなり魅力的でした。
でも最近は、美容ナースでフリーランスになる人も増えてきましたね!
やっぱりみんなフリーを見据えてアートメイク看護師をやってますね。「もっと自由に働きたい」って思ってる人が看護師の中には多いんだと思います。
なのでフリーランスになりたい看護師が多くて、「フリーランス=アートメイク看護師」という位置づけがあって、魅力に感じる人が多いんだと思います。
体力的に楽
アートメイク看護師は体が楽ですね。
美容看護師してた時はやっぱり扱う機械が重いので、痩身のマシンだったり脱毛のマシンだったり、腰が痛くてしょうがなかった時代があります。
そういう体力面では、妊娠中でアートメイクやられてる方もかなり多いですし、けっこう年齢を重ねてても現役でやられてる方も多いです。なので、アートメイクはやろうと思えば、長く現役でいられると思います。
美容以外の病棟看護師などでも、車椅子移乗や入浴介助などでけっこうな体力が必要ですよね。夜勤も体力が必要ですし。
美容看護師と比較しても病棟看護師と比較しても、アートメイク看護師は比較的体が楽であるといえますね。
自分にしかできない仕事でやりがいが大きい
私がアートメイクをやりたいと思った理由が、代えが利かない仕事がしたいっていうのが1番だったんですよね。自分にしかできない、自分にしか作れない作品を作っていることが一番やりがいがあります。
あとはお客様は全員指名で来て下さるので、私にやってもらいたくて来てくださってるのが嬉しいですよね。北海道とか沖縄から来てくれる方もいらっしゃるんですよ。
指名で来て下さるのは本当に嬉しいことですね。
私も今、全ての施術において全員のお客様が指名で来ていただいているので、月にこれだけのお客様が私のことを探してくれて、私の施術を受けたいって思って来てくださってるんだって思うと、凄くやりがいを感じます。
そうなんですよ。今は時節柄来れないんですけど、SNSのDMで台湾に住んでる人とかブラジルに住んでる人から私のアートメイク受けたいっていう連絡をいただけるんですよ。私にやってもらいたくて来てもらえるっていうのが凄くやりがいがある。
勉強が楽しい
好きなことやってるので、勉強もやらなくちゃっていうよりかは、勉強とかも全部やりたくてやってるから全然大変じゃなくて。
好きでやってるから苦労に感じることが本当にないんですよね。
みんなアートメイクが好きでやってるので、勉強もやらされるわけじゃないんですよね。自分がやりたくて、技術磨きたくてやってるので。勉強も楽しいし、メリットしかないんじゃないですかね。大変なことがあったとしても、それがデメリットにはならないと思ってます。
確かにそうですね。美容が好きで美容業界にきた看護師で多いのは、「病棟時代の勉強は大変だったけど、美容の勉強は好きなことだから楽しい」という人が多いですよね。
女性は少なからず美容に興味があるという人は多いと思いますし、興味があるものかどうかだけで、勉強や仕事の楽しさはかなり変わりますよね。
1つのことを極められる(シングルタスク)
私が元々けっこう職人気質でチームプレーがあまり得意じゃないんですよね。あとマルチタスクなことができないんですよ。看護師向いてないと思うんですけど(笑)多重課題がすごい苦手で、一つの仕事をクオリティ高くやれる方が向いてるんですよね。
だから看護師の中でもマルチタスクが得意な人とシングルタスクが得意な人に分かれると思うんですけど、シングルタスクが得意で一つのことを追求してクオリティを高めていく仕事がしたいっていうタイプにはすごい向いてると思います。
自分の技術でお客様に直接喜んでもらえる
自分の持ってる技術次第で、お客様を直接喜ばすことができるのが魅力です。
あとは、看護師でお客様に「足す」ことができる技術ってあんまりないんですよ。美容看護師だったら脱毛とかシミとったりとかなので、「足す」っていうのはなくて。
お客様に直接描くとか印象を大きく変えるものって、大体美容外科医とかドクターの仕事だったんですけど、看護師ができるのは中々珍しくて。それは自分次第で喜びを届けることができるっていう、主体的な感じになると思ってます。
一般的な美容看護師が行う施術って、例えばハイフとかに関しても照射レベルとか当て方を大体ドクターが決めてその通りにやるっていう感じじゃないですか。でもアートメイクに関してはもうちょっと自由で、色とか技法とか看護師が決められて、お客様に個性を出して関われるっていうところが凄く魅力的な職業だと思っています。なので、「そういうスタイルでお客様に関わっていきたい」みたいな思いがある人はアートメイク看護師になるメリットがすごく大きいんじゃないかなって思います。
美容看護師の時はクリニック宛てに「ありがとう」のお手紙が届いたりすることはあったんですけど、アートメイク看護師になってからはSNSのDMとかで私個人に直接「今日はありがとうございました!」っていうメッセージが届くんですよ。
クリニック単位ではなく、私個人に対してお礼のメッセージを送ってくださって、直接喜びの声が聞けるのも凄く嬉しいですね。
自分で開拓していける魅力がある
日本だとまだまだ未開発なゾーンなんだなって感じます。やり方次第では色々な方向が開けるんじゃないかなって。
海外の技術レベルに比べたら日本ってまだまだ遅れてるんですよね。なので、まずはアートメイクを広めていってっていう活動ができるんだろうなと思って、それって凄く楽しくてやりがいを持って開拓していけると思うんです。
親しい人に喜んでもらえることが多い
例えば、美容外科ナースだったら二重整形をしたい人が周りにどれくらいいるかっていったら、ちょっと限られるかもしれないじゃないですか。
でもアートメイクは、自分の親しい人にすごい喜んでもらえることが多いなって思いました。
眉毛とかアイラインとかお顔に施術するアートメイクをやりたいって人が結構多くて、まず自分の身近な親しい人に喜びを届けることができるのもメリットかなって思いました。
確かにそうですね!しかも二重整形の手術をするのは医師で、看護師は介助なので直接自分が何かできるわけではないですもんね。
そうなんですよ!例えば「○○ちゃんこういう色似合うからこういう形にしたらキレイだね」とかアドバイスしてやってあげるのって、すごいプレッシャーなんですけど、喜んでくれると本当に嬉しいですね!
まず手の届く範囲の人たちを喜ばせてあげることができたのは、すごくいいことだなって思いました。
アートメイク看護師の仕事内容・1日の流れ
アートメイク看護師の働き方について、下記2点に分けて解説していきます。
- 「仕事内容」は具体的にどんなことをするのか?
- 出勤から退勤までの1日の流れ(雇用の場合・フリーランスの場合)
フリーランスの1日の流れでは、櫻井グリコさんの場合と、滝沢まいさんの場合で2例紹介しています。
それでは、まず仕事内容から解説していきます。
仕事内容
現役アートメイク看護師であり、超人気のトップアーティストである櫻井グリコさんに、アートメイク看護師の仕事内容をリアルに解説していただきました。
私が実際に行っている仕事内容をご紹介します。
- アートメイクのメリットだけではなく、デメリットも詳しく話します。
(整形並みに顔の印象が変わる、一度入れたら100%消して元の状態に戻すということはできない、傷を作るのでダウンタイムが1週間はかかる、レーザー等が当たると変色する、など) - お客様がどんな目的でアートメイクを入れたいのかヒアリングします。(コンプレックスの解消なのか、メイク時間の短縮なのか、子供と外遊びしてる時でもキレイなママでいたいのか、周りのみんながやってるからやりたくなってしまったのか、などその人の生活背景なども聞き出していきます。)
- どんな風になりたいのか具体的なイメージを固めていく。(イメージ画像を持参してもらうことが多いですが、特になければデザイン時に一緒に決めていきます。但し、イメージ画像があった方がお客様の好みが分かりやすい。)
まずは専用のコンパスで黄金比を測り、それを目安に骨格や筋肉の発達具合、顔全体のバランスを見てデザインしていきます。
アートメイクのデザインで絶対に侵せない禁忌があるので(目と眉を近づけようとして瞼にデザインする、こめかみの方まで眉尻を伸ばす、眉頭より眉尻が下がったデザイン等は禁忌)、そのNGデザインを避けながらお客様の好みに近づくよう一緒に鏡を見ながら決めていきます。
皮膚状態や内服薬、お客様の心配な点などを確認します。
医師から施術許可が出たら麻酔をします。
カラー選びは初回はお客様の肌質を優先して考えるため、パーソナルカラーに合わせた色を選ぶことが難しく、お客様自身に選んでいただくことが難しい場合が多いです。
アートメイクは基本的に2回以上に分けて施術するため、2回目で再度色の相談をして好みの色に近づけるように調整していきます。
痛みの確認を適宜行いながら施術を進めていきます。
リップのアートメイクは施術中に会話ができないため、事前のカウンセリングが大切です。リップアートメイクはアートメイクの中でも1番痛みがあると言われていますが、痛みが心配な場合はブロック注射麻酔をオプションで付ける等の対応もあります。表面麻酔で施術されている方も施術半ばくらいから寝ている方が多いです。
仕上がりの確認をします。気になるポイントがあれば必要に応じてその場でお直しをします。施術前は緊張していて聞き逃した点などがあるかもしれないので、再度日常生活の注意点等についてお話します。
1日の流れ
雇用されている場合
カウンセラーがカウンセリングに入り、看護師が施術に入る。
カウンセラーがカウンセリングに入っている間に別のお客様の施術に入れるので、ずっと施術だけを担当することができる。業務分担することで、高速で回していけるので、1日6~8人の施術を担当できる。
勤務中のどこかの時間でお昼休憩がきっちり1時間取れる。外へランチに出ることも可能◎
カウンセラーがついているところだと、カウンセラーがカウンセリングしている間に看護師が別のお客様の施術に入れるので、重ねて予約を取るなどして効率的にお客様の施術を回していくことができます。
「施術件数を多くこなせる」という面で上達が早くなります。
フリーランスの場合
櫻井グリコさんの1日の流れ
1日で担当するお客様は4人で、新規のお客様2人・既存のお客様2人と決めている。
1人当たりの持ち時間は新規が2時間半~3時間、既存が1時間半~2時間。
まとまった休み時間はなく、空いた時間や麻酔の待ち時間で休憩をとる。
当日キャンセルが出るなどして空いた時間は全て自由時間。
終了時間より早く終わったら、すぐに帰ってもOK
勤務日数と休日数は自分で調整でき、週3日休みにしている。
週3休みだが、その内1日はコワーキングスペースに出向いてパソコン仕事(コラムの執筆や症例写真の作成等)をしている。
育児と両立している滝沢まいさんの1日の流れ
10分前くらいに出勤して準備。
1日で担当するお客様は3人。
麻酔の待ち時間で休憩をとったり、早く施術が終わった時には次のお客様まで30分空いたり1時間空いたりするため、そういった空き時間にご飯を食べる。
帰宅後は育児・家事が落ち着き次第お客様にDM返信、インスタ記事作成、練習、勉強時間としている。(21:00~4時間程度)
自分で決めて、週3休みにしている。
週4日勤務の中で、施術だけでなくアートメイク講習の仕事もしている。
アートメイク看護師の年齢制限とキャリアプラン
「アートメイク看護師になるのに年齢制限はある?」「何歳まで働けるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論からいうと、下記の通りです。
- 現役で働けるのは40代後半~50代前半ぐらいまで(中には60歳手前で現役の方もいる)
- 現役以外のキャリアプランは、講師業・教材開発・物品開発・スクール運営・クリニック運営がある
- 現役以外であれば60代70代など年齢を重ねても働ける
現役で頑張っている方だと、50代とか60歳手前ぐらいの年齢の方がいらっしゃいますね。ずっと現役でやりたい方は、お客様がついてきてくれるならできると思います。ただ、目が見えなくなってきてるって言ってたので、件数が多い訳ではないですね。
やっぱり視力も悪くなるし現役でいられるのって50代前半ぐらいまでの年齢が現実的かな、と思ってます。
でも現役以外で働ける道がアートメイク看護師には沢山あるんです。
今アートメイク看護師になりたい人が増えてるので、講師として活躍するとか教材開発とか、スクールの運営とか、あとは自分が経営者になってクリニック運営とか、そういう方向にいってる人がいるかな。
様々なキャリア選択ができますね!
特にアートメイク看護師は年収1,000万以上も目指しやすいので、計画的に貯蓄をしてセミリタイアやアーリーリタイアする選択肢もあり得ますね!
アートメイク看護師の将来性やキャリアプランについて、更に具体的に知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
アートメイク看護師に向いてる人
現役のアートメイク看護師である御三方に、どんな人がアートメイク看護師に向いてると思うか語っていただきました。
アートメイク看護師に向いてる人の特徴は下記の通りです。
- コミュニケーション能力が高い
- 接遇マナーができる
- 集中力がある・細かい作業が得意
それぞれ理由を詳しく解説していきます。
コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人にアートメイクを教える方が絶対的に上達が早いんです。
「意図を汲み取れる」とか、「説明したことを体現化できる」みたいなのができる人って、やっぱりコミュニケーション能力高い人の方が多いんですよね。逆に器用だけど、コミュニケーションが苦手って人は案外伸びにくかったりするので、アートメイク未経験の人が面接に来たら、その人がどれくらいのコミュニケーション能力があるのかなとか、そういうところを見て採用を決めてましたね。
そう考えると、アートメイク看護師になる前に一般的な美容クリニックで美容看護師としての経験を積んだ方がいいとかはありますか?
別にそこまではしなくてもいいものでしょうか?
美容看護師の経験がなくても大丈夫だよって言いたいけど、経験がある人の方が習得が早いし伸びるっていうところはありますね。
美容看護師ってまず美容クリニックで接客・接遇スキルとかコミュニケーション能力を叩き込まれるので。
実際、美容看護師になった後にアートメイク看護師になってる人の方が多いんじゃないかな、と思います。
とりあえずコミュニケーション能力が高ければ、その後の技術の習得っていうのは本当にどうにかなると思います。
接遇マナーができる人
接遇マナーもかなり大事です。アートメイクって看護師が提供する施術の中で一番高級なものなんですよね。
値段も高いですし、アートメイクを受けに来るお客様って美容を極めたようなお客様が多くて、美容整形を受けられた経験がある方も多いんですよ。
セレブ層じゃないですけど、眉毛に10万かけられる人ってけっこうセレブ感覚あると思うんですよ。
そう考えると接遇マナーは凄く大事になってくるので。それは努力次第で誰でもできるとは思うんです。とはいえ、やっぱり美容看護師をやったことがなくて、病棟からダイレクトにアートメイク看護師になって病棟経験が長かった人っていうのは、けっこう無意識に自分の方が立場が上だと思ってる人が多いんです。お客様じゃなくて患者だと思ってるんですよね。
病棟歴長い方が美容看護師になる場合でも、そういう方は多いかもしれないです。病棟時代の患者さんと話すのと同じように、砕けた話し方をしてしまったりとか。病棟で接遇を学ぶことはないので仕方ないんですけどね。
そうなんですよね。
アートメイクって絶対にやってはいけない禁忌のデザインがあって、でもその禁忌のデザインをやりたがるお客様も一定数いるんですよ。それを頭ごなしに「それは無理」って言ったり、ちょっと上から目線で言っちゃうタイプの人だと、クレームになりやすい。
ご提案っていう形で持っていけないんですよね。お客様の方から、「じゃあ自分はそっちにしたい」って言わせる能力が大事になるんです。
接遇次第で自分のやりたい方向に誘導できるんですけど、それができないとクレームになりますよね。
集中力がある人・細かい作業が得意な人
集中力のある人ですね。一つのことに集中して一個のものを作り上げるのが得意な人。
同時進行で色々なことをするマルチタスクは苦手だけど、一つのことを集中して追及してやりたいっていう人は向いてると思います。
あと細かい作業が好きな人は、特に楽しく働けると思いますし、書道とか、絵を描くのが好きな人とかは、元々自分と向き合うのが好きな人が多いと思うんですよね。
アートメイクの練習始めると完全に自分の作品と向き合うことになるので、そういうところもけっこう大事かなと思いますね。
【Q&A】アートメイク看護師に関するよくある質問
アートメイク看護師に関するよくある質問を、現役アートメイク看護師の櫻井グリコさんに回答していただきました。
私が詳しく解説していきます。
まとめ:アートメイク看護師になりたい人は美容看護師の経験も視野に入れよう
現役アートメイク看護師に本音で語っていただいた、「アートメイク看護師のメリットと注意点(デメリット)」は下記の通りです。
アートメイク看護師を目指す上で、まずはこのメリットと注意点(デメリット)、アートメイク看護師はどんな仕事なのか?など、きちんと理解しておくことが大切です。
そして今回、3人の現役アートメイク看護師の方々にお話しをお伺いして感じたのは、下記の重要さです。
- リカバリーの効きにくい施術であるからこそ責任重大
- 意識の高いお客様が多く接遇スキルが必須
- クレームを出さないためにも知識・技術力と接遇が大事
- アートメイクの知識だけではなく一般美容施術も含めた包括的な知識がある方が良い
アートメイクスクールでは学べない接遇スキルを身につける意味でも、まずは美容看護師を経験して徹底的に接遇や美容の知識・技術を身につけるのは有効的であるといえます。
美容未経験で直接アートメイク看護師になって、早期にアートメイク看護師としてのキャリアを積んでいくのか、美容看護師を経験してからアートメイク看護師へキャリアアップしていくのか。
キャリアの描き方は十人十色ですから、効率的ななり方も知った上で自分に合った道を見つけられるといいですね。
アートメイクを受けるのにオススメのクリニック2選!
LIAN clinic
美容施術のスペシャリストである、ゆきまろ(藤尾有紀)さんが代表を務めるLIAN clinic。
LIANでは美容クリニック従属歴4年以上の経験豊富な看護師しか在籍できないため、熟練した技術をどのお客様にも提供できるのが魅力。お客様一人一人のお悩みに応じたフルオーダーメイド治療を提案。
アートメイクをはじめ、たるみ・毛穴・小顔治療に特化したメニューを提供しています。
\ご予約はHPにあるLINEからできます/
THE ARTMAKE TOKYO
リップアートメイクのスペシャリストである櫻井グリコさんと、眉毛アートメイクのスペシャリストである滝沢まいさんが所属しているアートメイク専門クリニック「THE ARTMAKE TOKYO」。
櫻井グリコさん、滝沢まいさんをはじめとし、厳しい採用基準をクリアした、わずか16%の精鋭のみが在籍。全てのアーティストがハイレベルなトップアーティストです。
黄金比をベースとした「似合わせデザイン」が得意で、好みやなりたいイメージなど希望に沿ってオーダーメイドでデザインしてくれるのが魅力。
\ご予約はHPにあるLINEからできます/