- 美容看護師って若い内しかできないイメージ・・・実際は何歳まで働けるの?
- 美容看護師として長く働く方法はあるの?
- 育児と両立しながら美容看護師として働くことってできるの?
- 美容看護師のキャリアプランを知りたい!
今回はこのような疑問にお答えしていきます!
美容看護師のキャリアについて知り尽くした、美容業界のプロ2人と本記事の執筆者である現役美容ナースめいで座談会を開催しました。
- 勤続9年の美容クリニックで結婚・妊娠・出産・育児を経験した私、現役美容ママナースめいの経験談
- フリーランスで美容ナースをしながら起業し、教育事業・人材紹介など美容業界でマルチに活躍されている現役美容ナースの業界知識
- 美容クリニックでマネージャー・採用担当を長年経験した美容専門エージェントの業界知識
3人のそれぞれの情報を元に、リアルな美容業界事情を解説しています。
座談会に参加した美容業界のプロについて
今回参加していただいた、お二人のプロフィールはこちら。
お二人が、どれだけ美容業界を熟知しているかが分かります。
美容看護師って何歳まで働ける?定年まで働けるの?
- 実際に40~50代で働いている人もいる
- 40代の看護師を求めている美容クリニックもある
- 定年まで働くのは法律的には難しくない
上記について詳しく解説していきますね。
実際に40代・50代で働いている人もいる
座談会では、「40代・50代でも美容クリニックで働いている看護師は普通にいますよね」というお話になりました。
私の知人で、50代で大手美容クリニックの幹部をしている看護師はいますね。
私の職場でも40代後半で働いている人は普通にいますね。その人は看護部長で10年以上勤務されています。今までに、40代の看護師さんを面接して採用したこともあります。
実際に美容看護師の知り合いが多い末原りかさんの周りにも、私の周りにも、40代・50代で働いている看護師はいるので、その年代で美容クリニックで働くのはそんなに珍しいことではないです。
40代・50代で働けても周りが若い子ばかりで結局居づらくなるのでは?
「年齢を重ねてきて、周りが若い子ばかりで働きづらくなってきた」という場合の解決策は4つあります。
- 自分が働いてきた美容クリニックで役職につく
- 皮膚科などの保険診療も行っている美容皮膚科や個人経営の美容クリニックに転職する(働いている看護師の年齢層が高い)
- 美容業界に区切りをつけて美容クリニック以外に転職する
- 40代以上の看護師を求めている美容クリニックに転職する
1.自分が働いてきた美容クリニックで役職につく
看護部長や主任などの役職につけば、現場で働くスタッフが若くても気にせず働きやすいですよね。
これは病棟でも一緒だと思います。病棟で若い看護師が多くても、看護師長は年齢が高い人がほとんどですよね。
2.皮膚科などの保険診療も行っている美容皮膚科や個人経営の美容クリニックに転職する
「一般の皮膚科などの保険診療を主体として、美容皮膚科の診療も行っているところ」や「個人経営の美容クリニック」では働いている看護師の年齢層が高い傾向にあります。
実際に皮膚科クリニックでは40代以上の看護師さんをよく見かけますよね。
個人経営の美容クリニックでは、そこで働くスタッフの意向が経営者である院長に直接伝えやすいという特徴があり、自身のキャリアや働き方についての相談もしやすいのです。
さらに、院長との信頼関係も直接築きやすいことから、年齢を重ねても働きやすい傾向にあります。
3.美容業界に区切りをつけて美容クリニック以外に転職する
最初から美容業界で働くのを3~4年と決めていて、その期間は美容クリニックで働くことを楽しみ、3~4年経ったら、病院などの一般的な医療施設に転職したり企業転職するという選択肢もあります。
この3~4年という期間には理由があります。このくらいの期間であれば、美容クリニックからの転職でも病棟看護師や一般医療に携る看護師の仕事に戻りやすいからです。
「戻りやすい」というのは「病棟看護師の仕事の感覚を取り戻しやすい」という意味です。
少々、基礎看護技術を忘れていても、疾患の知識やアセスメント力が衰えていても3~4年くらいの期間しか空いていなければ、取り戻しやすいのです。
採血などを全くしないのは本当に脱毛しか行っていない美容クリニックぐらいです。
4.40代以上の看護師を求めている美容クリニックに転職する
こちらについては、次で詳しく解説していきます。
40代の看護師を求めている美容クリニックもある
美容看護師といえば、若い人ばかりで働いているイメージを持っている人が多いですが、求められているのは若い人ばかりではないんです。
各美容クリニックの特色によってスタッフが20代~30代前半が中心の美容クリニックもあれば、40代以上の看護師の方が欲しいというクリニックもあります。
それは40代以上の看護師も活躍している、という実績を作りたい美容クリニックもあるからなんです。(※美容専門転職エージェントからの情報です)
実際、40代以降からシミやたるみなどの悩みが増えることは多いですし、それぐらいの年齢層の患者様も多いです。
そういった時に、同じ年代の看護師がいれば、患者様の悩みにも寄り添いやすいですし、説得力もあります。
定年まで働くのは法律的には難しくない
美容クリニックで定年まで働くのは法律的には難しくないです。難しくないですけど、そもそも現場で肉体労働で60歳まで働きたいかどうかっていうところですよね。
美容看護師に限らず病棟看護師もそうなんですけど、肉体労働で60歳まで働くのって大変だと思うんですよ。
確かに、そもそもが定年まで看護師として働きたいと思うのかも重要ですね。病棟でも20~40代の年齢層は多いですけど、50~60歳までの年齢層は少ない印象ですね。
そうなんですよ。なので60歳まで働き続けるっていうよりは、週5日朝から晩まで働くっていうやり方を何歳までにやめたいかを決めて、その後に必要になるお金を今どうやって作っていくかっていうのを考えるべきじゃないかなと思います。
生涯現役っていうのはあんまり現実的じゃないような気がします。
少数派かもしれませんが、もしも資産形成が上手くいかなくて、定年まで働きたいっていう場合はどうですか?
本人が肉体労働を続けたくて、美容で働き続けたいっていう意思があればできると思います。
ただ、今はできると思っていても人の気持ちって変化するので、そういうときに備えてキャリアを考えるべきかなって思います。
確かにそうですよね。美容クリニックでも教育担当や看護師長などの役職を目指して経験を積んでいけると、定年に近い年齢になっても働きやすそうですよね。
そうですね。マネジメントとか教育の仕事になってくると肉体労働ではなくなるので。
そうすると続けられる年齢は長くなってくるのかなと。
6つのケース別!美容看護師のキャリアプラン
美容看護師になった後のキャリアプランがイメージできない…。
美容看護師のキャリアには、実際にどんな選択肢があるのかな?
実際に美容看護師のキャリアプランはどのようなものがあるのか、下記の6つのケース別に解説していきます。
- 美容クリニックで役職を目指す
- 役職に就きたくない・現場で働き続けたい場合
- フリーランスで美容ナース+副業・他スキル習得
- 美容クリニックでの経験を活かした仕事をする
- 美容看護師を3~4年楽しんで病院に戻るのもあり◎
- 新卒・臨床経験1年未満で美容ナースになった場合のキャリアプラン
美容クリニックで役職を目指す場合
役職に就いて長く働きたい場合は、全国展開している大手や、店舗を複数展開している中規模以上の美容クリニックが役職が多くてオススメ。
美容看護師の場合、早ければ入職後1年でリーダーを任されることも多く、病棟よりも年齢が若いうちからキャリアアップしていきやすいです。
マネジメントに携わりたい、キャリアアップしていきたいという積極的な姿勢を見せていけば、比較的スムーズに役職を目指していけます。
役職に就けば、現場仕事ではなくなるので、年齢を重ねていっても長く活躍できます。
大手は役職が多いです。エリアマネージャー・サブマネージャー・看護師長・主任・副主任・チーフ・教育担当とか、たくさんあります。
個人経営・小規模クリニックだと役職はあまりないんじゃないですかね。ある程度スタッフの人数がいるから、そういうポジションを作って均一化させようねっていう動きになってくるので。
単院となると人数も少なくて根が続きやすいですからね。
役職に就きたくない・現場で働き続けたい場合
看護師の年齢層が高い美容クリニックで働くのがオススメ。
たとえば、「40代の看護師を求めている美容クリニックもある」で解説したような美容クリニックもありますし、皮膚科などの保険診療と美容皮膚科を併設しているクリニックでは、看護師の年齢層が高い傾向にあります。
個人経営の美容クリニックでも、院長との距離感や関係性が近くなりやすいので、年齢を重ねても長く働き続けやすいところもあります。
フリーランスで美容ナース+副業・他スキル習得
「正社員だから安定」という時代は終わりつつある現代では、自分の力で収入を得るスキルの習得が重視されてきています。
そのため、副業や資産運用をする人も増えてきているんです。
フリーランスの魅力といえば、やはり「働く時間や休みを自由に調整できる」「職場に縛られず働ける」ことですよね。
フリーランスで自由に働きながら、自宅で仕事ができるようなスキルを習得したり、在宅での副業などもできます。
リモートワークが不可能な看護師にとっては、自宅で働けるようになるのは魅力的…!
美容ナースとして活動しながらも現在は起業して社長となった末原りかさんも、フリーランスで美容ナースをしながら、マルチに活躍されています。
自分で一ヶ月の勤務日数や曜日を自由に選べたり、スキルがつけば稼ぎたい金額も交渉できるようになるのが魅力的です!
末原さんの周りにも、フリーランスで美容ナースをしながら副業や他のスキルを習得されている方はいらっしゃいますか?
何人かいますね。事例を挙げると、「新卒でオペ室入職→3ヶ月で退職→脱毛クリニック入職→2年経験を積む→フリーランスで美容ナースを週3+プログラミングやWEBスキルを習得中」という看護師さんもいます。
最近ではフリーランスで活動するアートメイク看護師も増えていますね。
アートメイク看護師はアートメイクの施術を専門として働く看護師で、アートメイク専門クリニックや美容クリニックで活躍しています。
フリーランスのアートメイク看護師で、指名がたくさんもらえるようなトップアーティストだと、年収2,000~3,000万の看護師もいます。
高給与を目指せるのもアートメイク看護師の魅力です。
フリーランスのアートメイク看護師に関して詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。現役のフリーランスアートメイク看護師に取材した際のリアルな内容をお伝えしています。
美容クリニックでの経験を活かした仕事をする
たとえば、「美容クリニックで働いている経験を活かして、美容クリニック専門の転職エージェントをする」ということもできます。
実際に末原さんとぴーなっつさんがされてますよね。
そうですね。エージェント業はさまざまな背景を持った方々の人生に関われるので、とても視野が広がります。
さらに、自分の経験や知識が誰かの役に立つことを実感できるので、やりがいも感じられます!
やっぱり、経験をダイレクトに活かせるのが魅力だと思います。
自分が欲しい人材=他のクリニックさんでもそうである可能性は高いので。
そういう経験の裏付けをもって求人側のニーズを汲み取れてる気がしますし、その感覚があるから求職者さんに対しても「求められてること」をより正しく共有できるのかな、と。
Twitterの美容ナース界隈では、美容看護師になりたい人から相談されることが多いですよね。
だからこそ美容ナースの仕事をしながら、紹介会社と提携して転職サポートをする人がけっこういて、「美容ナース経験の活かし方」としては割と現実的に実現しやすい方法だな、と思います。
他にも、美容クリニックを開業したい先生の開業サポートに携ることもできます。
美容皮膚科や美容外科、アートメイクを一通り経験したり、役職や幹部になってマネジメント能力を身につけたりすると、オープニングスタッフとして重宝されるので美容クリニックの立ち上げも経験できます。
こういった経験を積み重ねていって、開業サポートを任されることも最近は多いですよ。
その他にも、美容クリニックのコンサルやマーケティングを任されたり、自分でサロンを開業する人もいます。
美容看護師を3~4年楽しんで病院に戻るのもあり◎
看護師の求人の中で、美容クリニック求人は本当に人気で倍率も高いです。
しかし、病院などの一般的な医療施設は常に看護師不足ですから看護師資格を持っていれば引く手あまたです。
3~4年であれば、病棟で働いていたころの感覚を取り戻しやすいと感じる人が多く、最初から病棟に戻るつもりの人は3~4年美容で楽しむという感覚で働いているようです。
では、なぜ3~4年しか働くつもりがないのに、わざわざ美容クリニックに転職したい看護師が多いのでしょうか?
その答えは、「20代、30代の若くて楽しい時期を病棟で消耗したくない」「美容クリニックで人をキレイにする仕事をしながら自分もキレイになりたい」「若いうちに美容の知識を習得して自分の美容に活かしたい」と考える看護師が多いからなんです。
1度きりの自分の人生ですから、「20代・30代の時期にどのような仕事やどのような働き方をしていたいか」という視点でキャリアプランを考えてみるのもアリですね◎
新卒・臨床経験1年未満で美容ナースになった場合のキャリアプラン
新卒や臨床経験1年未満の看護師だと、採血・点滴技術ができないことがほとんどなので、まず看護技術をそこまで必要とされない脱毛クリニックへの就職がメインになります。
しかし、脱毛はどんな美容クリニックでも必要とされ、美容医療の中でメイン施術となるものです。
脱毛クリニックで施術スキルや接遇を習得し、そのまま同じクリニックで役職を目指していくこともできます。
もっと美容医療を幅広く学びたい、色々な施術を習得したいと思えば、美容皮膚科や美容外科、アートメイクが学べる美容クリニックへステップアップ転職することもできます。
美容経験者の肩書をつけるために、まず脱毛クリニックで働くというのはアリ。次の転職で、未経験よりも有利になります。
脱毛クリニックで3年くらい頑張って働いたら、次の選択の幅はけっこう広がりますね。
臨床経験の浅い人に関しては、とりあえず脱毛クリニックから入るのが手っ取り早いですね。脱毛クリニックはたくさんオープンしてますし。
臨床経験1年未満だと脱毛が多いですね、やっぱり。でも脱毛クリニックも悪くないですよ。
脱毛クリニックでも美容点滴とか新しいメニューを導入するところもあるので。それでも、働いていく中で自分のやりたいことが他のクリニックにあるようだったら、他に転職したらいいかなって思います。
臨床経験1年未満になると、「ずっと美容でやっていく」ぐらいの覚悟は必要だと思いますか?
自分次第だと思いますね。本気で病棟にいきたいんだったら、臨床経験1年未満だろうが自分の努力次第で病棟に戻れると思います。
本人のやる気次第かと。
妊娠・出産・育児のライフイベントと絡めた美容看護師の働き方
女性は結婚・妊娠・出産・子育てなどの大きなライフイベントと、それに沿った働き方について考える方も多いのではないでしょうか?
結婚に関しては、そこまで生活スタイルが変化することではないので、正社員のままで働き続ける人が多いですし、働き方に悩むこともないでしょう。
しかし、妊娠・出産・育児に関しては、できるだけ自分のライフイベントや生活を優先しながら、働ける職場がいいですよね。
ほとんどの場合、「病棟で働く場合と比べて美容看護師の働き方はどうなんだろう?」と疑問を持つ方が多いかと思います。
結論をまとめると下記の通りです。
- 病棟よりも美容クリニックの方が妊娠・出産・育児を優先して働きやすい環境が整っている
- さらに美容クリニックの中でも、ママスタッフが多いところ(ナースに限らず受付やカウンセラー、美容部員も含めて)の方が周りの理解があって寛容
- 大手美容クリニックは育休を長期間取得しやすい傾向にあるが、働き方など柔軟に対応してくれて融通がききやすいのは個人の美容クリニック
「妊娠・出産・育児」のそれぞれの時期における美容看護師のリアルな働き方を、ママ美容ナースである私の実体験も交えながら解説していきますね。
妊娠中の働き方|病棟と美容クリニックを比較
病棟は基本、常に看護師不足なので悪阻などで体調が悪くて急に休みたい時や、母体を優先して夜勤を免除してほしい時でも言いにくい雰囲気があります。
それは、看護師が不足している大変な環境で休むと、周りに嫌がられるから。師長から圧力をかけられることもあります。
それが容易に想像できるため、妊娠中であっても言えない、休めない看護師はたくさんいるのです。
医労連の「2017年看護職員の労働実態調査」によると、妊娠時の状況として切迫流産が3割、流産が1割で、労働状況が年々悪化していることが分かります。(※調査対象施設は病院、診療所をはじめ、訪問看護や老健施設などの介護施設も含む)
この実態調査では、ハラスメントに関するアンケート調査も実施しており、1,600を超える具体的な書き込みがあったようです。
その中からマタニティハラスメントに関する書き込みを抜粋し、集約されていた内容を下記に引用して記載しました。
・妊娠は順番制。許可がないとできない。
・妊娠者が増えると勤務表が作れないので、妊娠するなと言われた。
・妊娠時期を考えるように、他のスタッフと重ならないでと言われた。
・「妊娠が間違いだったらいいのに」と言われた。
・「おろしたら」と言われた
・「貴方が妊娠したことで周りに迷惑がかかる」「戦力外」と言われた。
・悪阻で休んだら、「明日は来れるのか」と強く聞かれ辛かった。
・悪阻がひどく夜勤免除の相談をしたら、自分の時は働くのが当たり前だったと言われた。
・悪阻は病気じゃないと凄い口調で言われた。
・悪阻がひどくて休んでいるのに、「自己管理が悪い」と言われた。
・悪阻の強い時期、「気合でどうにかなるものだから」と経験のない上司に言われた。
・夜勤免除を申請したら、他のスタッフに負担になると夜勤を強要された。
・夜勤免除を申請したが拒否された。
・夜勤が出来なくなったことで、嫌がらせを受けた。
・切迫時、夜勤免除を申請したら上司に嫌味を言われた。
・流産手術も含め休みをとったら「仕事に支障がでる。何様のつもりだ」と電話が来た。
・体調が悪くても休めず結果、流産した。
・流産した時、病休を取れないと言われた。休める環境になく、結局3回流産した。
出典:ハラスメントの具体的事例|医労連「2017年看護職員の労働実態調査」結果
一方、美容クリニックの場合そもそも夜勤はないですし、看護師に人気の職場なだけに看護師不足が常態化しているようなクリニックの噂はほとんど聞いたことがありません。
私自身、入職1年目の時から「体調が悪い時はすぐに早退してください。体調の悪い表情・姿勢で、患者様の接遇や施術をしてはいけません。」と教わりました。
実際に、私の悪阻がひどい時が2週間くらいだったのですが、現場主任もマネージャーも圧をかけてくることもなく2週間休ませてくれて、「また体調がよくなったら連絡してね。無理しないようにね。」と、本当に優しく対応してくれました。
その他にも、力がいる仕事やお腹に負担がかかるような施術は周りのスタッフが率先して代わってくれました。
逆に「それぐらいの仕事はさすがにできます!」と、こちらから言いたくなるほどの気遣われっぷりでした。
自分の身体とお腹の中の赤ちゃんを優先しながら、安心して働くことができていたので本当にありがたかったです。
産休・育休の取得のしやすさ|病棟と美容クリニックを比較
もちろん病院にもよると思いますが、やはり病棟が看護師不足である状況から、「出産予定日直前まで働かされた」という声もよく耳にします。
私の美容クリニックでは私が妊娠したとき、マネージャーから事前に「いつから産休に入りたい?」と確認してくれました。
余裕をもって出産準備をしておきたかったので、予定日1か月前には産休を取りたいことを伝え、それまでに他のスタッフへ引継ぎができるように計画的に行動していました。
育休に関してもマネージャーから「育休はどれくらいの予定?」と聞かれていたので、「1年は取得したいと思ってるんですけど、大丈夫ですか?」と言ったところ、「めいさんがいないと売上が少し心配だけど大丈夫!ちゃんとめいさんの席もとってあるから安心して休んでね。」と快く承諾してくれました。
現場主任や周りのスタッフも「赤ちゃん生まれたら遊びにきてくださいねー!」とか「いつでも施術練習のモデルになりに来てね~」って感じで、本当に温かく優しく対応してくれました。
この点に関しては、個人クリニックならではのアットホームさがあるからかもしれません。
育児と仕事の両立のしやすさ|病棟と美容クリニックを比較
まず病棟での育休から職場復帰したときの働き方について、「日本看護協会のはたらくナースの相談窓口」から看護師のリアルな声を抜粋しました。看護師長側の本音も掲載されています。内容は下記の通りです。
育児休業明けの職場復帰にあたり、夜勤免除と短時間勤務を申請しましたが認められず、逆にパートへの転換を打診されました
出典:はたらくナースの相談窓口|日本看護協会
病棟師長をしています。部下から多数の育児短時間勤務制度の利用希望があり、とても対応できません。「あなたにだけ認めるのは不公平なので認めない」と伝えたら「公的機関に相談する」と言われました
出典:はたらくナースの相談窓口|日本看護協会
上司から「院内保育所で夜間保育もしている。育休明けでも夜勤を月8回してもらうことになっている」と言われ、短時間勤務と夜勤免除の希望を受け付けてもらえません
出典:はたらくナースの相談窓口|日本看護協会
育休明けに夜勤免除を申請しましたが、同じ看護職の夫は深夜勤がないからと却下されました。しかし夫は週1回23時までのシフト勤務でオンコールもあります。ほかに同居する家族はいません
出典:はたらくナースの相談窓口|日本看護協会
もちろん対応の仕方は病院によって違うでしょうし、全ての病院がこんな対応をするわけではありません。
ですが、やはり病院は看護師不足が常態化しています。
ママナースの時短勤務や夜勤免除に関して寛容ではないところが多いのは、目に見えて分かります…。
下記の記事でも、育児をしながら病棟で働いていた看護師の本音が綴られており、抜粋すると以下の内容が書かれていました。
- 上司から月に1~2回だけでも夜勤しろと圧をかけられる
- 日勤夜勤だけでなく、早出遅出など不規則で子育てママには負担が大きい
- 前残業・残業が多い
一方、美容クリニックでは元々夜勤はありませんし、大手の美容クリニックでは時短勤務ができるところも多いです。
美容クリニックによっては個人経営のクリニックでも時短勤務はありますよ!
時短勤務どころか、クリニックによってはかなり融通をきかせてくれるところもあります。
私のクリニックも大手ではありませんが時短勤務はありますし、上司からは「もしパートにするなら、休みを優先して好きな日数休んでいいし、稼ぎたかったらたくさん出勤してもいいし、自分のしたい働き方でいいよ」と言われています。
系列院の先輩ママナースも必ず17時にタイムカードを切って退勤しています。
その先輩からは「めいちゃんも職場復帰したときに、少しなら残って手伝おうかなって思ったりするかもだけど大丈夫だから!持ちつ持たれつの精神で決まった時間で帰るんだよ!」とアドバイスをもらったくらいです。
じゃあ、育児しながら働くなら病棟よりも美容クリニックの方がいいとして、美容クリニックの中でも大手と個人だったらどっちの方が働きやすいの?
これに関しては、末原りかさんとぴーなっつさんとお話したので、次に解説していきます!
産休育休取得と育児両立のしやすさ|美容クリニックの大手と個人を比較
妊娠を考える時期になったとき、お2人は大手と個人だとどっちの方がいいとお考えですか?
産休育休自体は大手も個人も取得できますけど、長期間取りやすいという意味でいうと大手の方が取りやすいと思います。どのくらいの期間かは人にもよりますけど、知り合いの人とかは2人目できちゃったんでって長めにとったりしてますね。
大手は人員が多いので替えがきくんですよね。だから取得のしやすさは大手。
ただ、柔軟に対応してくれるのは、個人の方かもしれないですね。
私自身、個人しか働いたことはないんですけど、個人とか小規模な美容クリニックって融通ききやすいなって感じること多いんです!でも実際はどうなんでしょう?
それは仰る通りだと思います。
なぜかというと、ルールにないことは基本的に決裁権限がある人が決めるからです。
たとえば大手の看護師長とかマネージャーとかって、労務の規定にないことを決裁する権限ってないんですね。
なので打診された時に基本的にルールにないことは、「それうちやってないんで」って言っちゃうんですよ。
だから一人ひとりの事案が検討ベースに上がってこない。
組織が大きくなればなるほどそうなっていきやすいので、現場の声が届かないことが多いんです。
良くも悪くも規模が小っちゃいところとかルールが決まってないところって、検討ベースにあげてもらえるので。デメリットというか、やらない理由がなければとりあえずやってもらえる可能性が高くなるんですよね。
特に院長先生と一緒に仕事するようなクリニックだと、いいようにしてくれるじゃないですか。
なので当然そっちの方が融通きくし、風通しはよくなります。
妊娠・出産・育児と美容看護師の働き方まとめ
全てをまとめると、そもそも病棟よりも美容クリニックの方が妊娠・出産・育児を優先して働きやすい環境が整っています。
さらに美容クリニックの中でも、やはりママスタッフが多いところ(ナースに限らず受付やカウンセラー、美容部員も含めて)の方が、周りの理解があって寛容だと感じます。
そして、大手美容クリニックは特に看護師が充足しているので、育休を長期間取得しやすい傾向にあります。
しかし、個人などの小規模な美容クリニックの方が、現場の声が上司に届きやすい分、柔軟に対応してくれて融通がききやすいようですね。
美容看護師の経験は看護師のキャリアにプラス?マイナス?
結論からいうと、美容看護師に興味がある人であればプラスになるといえます。
なぜなら、美容看護師の経験をベースとした他の仕事の選択肢が広がりやすいからです。
この他の仕事というのは、先ほどご紹介した「6つのケース別!美容看護師のキャリアプラン」の通りです。
逆にマイナスになると思われやすいものとして、次の2つが挙げられます。
- 美容クリニックから他の科へ転職しにくそう
- 看護スキルが低下しそう
しかし、実際にはマイナスになりません。
その理由を解説していきます。
「美容クリニックから他の科へ転職しにくそう」は間違い
「美容クリニックでの看護経験は看護師の経験年数として加算されない」ということを耳にする人もいるでしょう。
しかし、建前上は「美容クリニックの勤務歴は看護師の経験年数に加算されない」としていても、「美容クリニックの看護師だって注射や点滴などの基本的な看護技術はできる人が多い」ということを病院側も分かっています。
潜在看護師(看護師免許をもっているにも関わらず、現場の看護師として働いていない方)とは違って、美容クリニックであっても看護師として働いていることには変わりありません。
なので、それを考慮して採用してくれる医療施設はたくさんあります。
現に、私の友人で3~4年美容ナースをして病棟にすんなり戻った子は何人かいますよ。
美容クリニックのように人気のある求人は倍率が高いですが、病院のように常に看護師が不足しているところでは看護師を選べるほどの余裕はないですからね。
「看護スキルが低下しそう」は解決できる
そもそも看護スキルが低下することを不安に感じる人は、病棟などの医療施設に戻ることが前提ですよね。
先ほどご紹介した「6つのケース別!美容看護師のキャリアプラン」を見て、病棟に戻る可能性は低いかもしれないな、と思えば不安に思う必要はありません。
「病棟に戻る気満々!」という方でも、解決法はあるので安心してください。
病院などの医療施設で求められる看護技術は採血・点滴や入浴介助、オムツ交換などたくさんあります。
その中でも心配なのが、採血・点滴・注射などの、患者に侵襲を与える技術ではないでしょうか。
そもそも採血・点滴・注射などの看護技術は美容クリニックでも行います。
美容皮膚科や美容外科ではもちろん注射・点滴メニューや術前採血などで行いますし、最近は脱毛専門クリニックでも美容点滴などのメニューを追加しているところも増えています。
本当に全くやらないのは、脱毛メニューしかないクリニックぐらいですね。
最初は脱毛だけのクリニックに勤めていても、ステップアップして美容皮膚科・美容外科クリニックに転職することで、再度技術を身につけることや技術力をキープすることが可能。
さらに、全身麻酔を使った大きな手術も行う美容外科であれば、全身状態の管理や周術期の看護スキルもキープできます。
また、「都道府県ナースセンター」が行っている復職支援研修では血管モデルを使った採血練習や吸引、輸液ポンプなどの練習、看護に関する講義を受けることができます。受講料は無料です。
下記は復職支援研修を受けた方のコメントです。
保健師50代、ブランク6年
保健師として22年経験、ブランク6年でしたが看護師として復職してみたいと思いました。可能性があるのかを考えながら受講し、その後もナースセンターで個別に採血の練習をして、クリニックに採用されました。
就職後のご様子:奮闘しながらもやりたい仕事ができて嬉しいとのこと。講習会のあとにもナースセンターで採血演習できたことが、とても助かったそうです。
出典:復職・転職応援セミナー「就職への道のり」|大阪府ナースセンター
実際に、東京都で開催されている復職支援研修の内容がこちらです。
最近はYoutubeでも採血・点滴の流れや手技、注意点を学習できますし、家族の腕を借りてボールペンを針に見立てて練習するなど、方法はいくらでもあります。
これらの方法を活用して5年、10年のブランクがある看護師が復職する例もたくさんあります。
さらに美容看護師であれば、夜勤なしで定時退社なところも多いので、プライベート時間を確保しやすく、疾患の勉強をするなど病院へ戻るための準備もしやすい環境です。
以上の理由から、美容看護師の経験が看護師のキャリアにマイナスにはたらくことは考えられません。
逆に、看護師の仕事の選択肢が広がるという点からいえば、プラスになることの方が多いです。
まとめ
美容看護師は将来性がない、若いうちしか働けないイメージがありますが、そんなことはありません。
40代50代で活躍している美容看護師もいますし、美容看護師としての働き方もさまざまです。
私の美容クリニックでは、40代後半で働いている看護師もいますし基本的に長く働いている人が多いので、年を重ねても働ける自信があります。
美容看護師になっても選択肢はたくさんあるのです。
また、病院は常に看護師不足ですから、あなたが本気で戻りたいと思えば、戻ることもできます。
実際に、美容クリニックで3~4年働いた後に、病院や一般のクリニックで働いている友人を何人も知っています。
看護師資格を持っているということは、それだけ転職に強いということです。
なので正直、今美容看護師として働いている中で、不安に思っていることはありません。
最後になりますが、9年美容クリニックで働いてきた中で、独身時代から結婚・妊娠・出産・育児も経験し、美容看護師をしてて良かったと感じたことがたくさんあります。
- 夜勤なしで時短勤務もできるので、妊娠中・育児中も安心
- 病棟のように自分の身体や生活、子供との時間を犠牲にして働くことを強要されない(普通に病棟でもそうあるべきですが…)
- 療養上の世話がない(特にオムツ交換とか苦手な人には◎)
- 社割で格安&無料で美容医療を受けられる
私は今の職場で全身脱毛を完了させ、ゼオスキンも格安で9年愛用。ピーリングやフォトも無料で定期的にさせてもらってます。かなり美容代浮いてます◎
他にも美容看護師のメリットはたくさんあります!詳しく知りたい方は、さらっと読めるのでこちらを見てみてください。
ぜひ、みなさんに美容看護師の仕事の楽しさを知って、看護師としての選択肢が広がる体験もしていただきたいです。